2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700399
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
木村 梨絵 玉川大学, 脳科学研究所, 嘱託研究員 (60513455)
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Keywords | 神経生理学 / 大脳皮質 / 運動野 / 神経回路 / ラット |
Research Abstract |
運動野の細胞間で見られる、数ミリ秒以内の同期的発火活動は、運動の開始様式などによって、集団としてどのような機能的意味をもつのかは明らかでない。本研究では、頭部固定のラットに、外発的または内発的に前肢でレバーを操作すると報酬を獲得できるという、二種類の運動課題を行わせた。外発性運動は、前肢でレバーを押して音のタイミングでレバーを引き戻し、一方、内発性運動は、自らのタイミングでレバーを引き戻す運動とした。一次および二次運動野の深層の神経活動をマルチユニット記録し、運動の開始様式などに関連する同期的活動の集団特性を定量的に検討した。 この結果、集団として同期的活動は安定に存在し、運動機能にほとんど依存しないことを明らかにした。運動の開始様式の違いは、同期的活動としてではなく、二次運動野のRS細胞(主に興奮性)、一次・二次運動野のFS細胞(主に抑制性)の発火頻度の違いとして表された。一次・二次運動野は、基本的に似た神経活動を示し、けれども、二次運動野は、より修飾的な機能を担っていることが示唆された。同期的活動の状況に依存した可変性は、集団として確率的であり、その安定性は、確かな運動実行を可能にしているのかもしれない。
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Research Products
(4 results)