2012 Fiscal Year Research-status Report
脳磁計による神経義手の開発と上肢運動機能再建による大脳皮質再構築の検討
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24700419
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳澤 琢史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90533802)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Brain-machine interface / 脳磁図 / 電動義手 |
Research Abstract |
本年度は、これまで皮質脳波によるBMIで開発していきたsupport vector machineとgaussian process regressionを組み合わせた義手制御方法をMEGに適用するプログラムの作成とonlineのデータ処理装置の開発を行った。特に、皮質脳波よりも高い精度で運動の開始を推定する必要があったため、個人の脳活動に会わせてdecoderをフィットさせる方法を確立した。これによりMEGによる運動推定の精度が格段に向上した。 また、義手に取り付けた圧センサーの出力に応じて、被験者の上肢を電気刺激する装置を使用し、義手をMEGで制御して物体を把持した際に、義手の感覚が被験者へフィードバックするシステムを完成させた。 これらの装置を用いて、健常者及び、脳卒中後の半身麻痺患者、腕神経叢引き抜き損傷後の単麻痺患者でリアルタイムの義手制御を開始した。また、これらのpreliminaryな結果を国内学会にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はMEGによる義手制御システムの確立と正常被験者への適応が主な目標であったが、感覚フィードバックを持つシステムを確立し、正常被験者だけでなく、重度麻痺の患者にも適応できた。ただ、新たな特徴量としてphase-amplitude couplingを用いる予定であったが、予想した程にはBMIの性能向上に寄与しなかったため、脳磁図で捉えやすいMRCFの成分を高精度に抽出することで性能を向上させる方針とした。そこで、MRCFにおいて最も情報を抽出しやすい部分を同定する為のdecoderを新たに開発し、適応した。これにより、麻痺患者においても、約7割の精度で離握手運動のイメージを脳磁図だけから推定する事が出来た。これらの結果は、方法の変更が合ったものの、当初予定したよりも早いペースでの研究の進展であり、研究の達成度を上記と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に開発したシステムを用いて、脳卒中や外傷による重度運動機能障害のある患者の運動機能再建を行う。また、運動機能再建による脳活動変化について検討する。更に、感覚フィードバックによる影響を検討するため、様々な刺激パターンで電気刺激を行い、可塑性誘導の有無を指標として、その効果を検討する。後者に関しては健常者及び患者にて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
感覚刺激装置の改良を行うため、刺激装置及び刺激装置制御ボックスの改良を行う。また、得られた成果を学会及び論文にて発表する。
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Research Products
(9 results)