2013 Fiscal Year Annual Research Report
断続的なレム断眠ストレスに起因した注意欠陥/多動性障害動物モデルの確立と病態解明
Project/Area Number |
24700433
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
八百板 富紀枝 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (00382672)
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Keywords | ADHD / 衝動性 / 不注意 / 高架式十字迷路 / Y字迷路 / 睡眠 |
Research Abstract |
注意欠陥/多動性障害(ADHD)は、多動、不注意および衝動性を主症状とする精神疾患である。近年、ADHD患者におけるレム睡眠時間および総睡眠時間の短縮が報告されている。そこで本研究では、マウスへの断続的レム断眠ストレス負荷によるADHD様症状発現への関与ならびにADHD病態動物モデルの確立を目的に検討を行った。 24年度においては、プラットホーム法を用い、マウスに20時間のレム断眠ストレス負荷後4時間の休憩を与え、それを数日間繰り返す方法による断続的レム断眠負荷を行った。その結果、3日目にY字迷路試験における交替率の低下および海馬の一酸化窒素代謝物(NOx)濃度の低下が認められた。これらは、ADHD治療薬であるmethylphenidate(MPD)の投与により改善されることが明らかとなった。 25年度においては、前年度に得られた成果に基づいて、交替率や海馬NOx濃度の低下に対するMPDの改善作用に関与する一酸化窒素合成酵素のサブタイプについて検討を行った。その結果、選択的eNOSおよびiNOS阻害薬の投与がMPDの改善作用に拮抗することが判明した。 一方、ADHDの病態の一つである衝動性様症状の評価に高架式十字迷路試験が用いられている。そこで、本法により断続的レム断眠ストレスの影響を検討したところ、オープンアームにおける滞在時間の延長が認められた。さらに、この延長に対してMPDが改善作用を示すことも明らかとした。 以上のことから、マウスへの断続的レム断眠ストレスの負荷により、ADHDの主症状である不注意症状ならびに衝動性症状が発現することを明らかとした。この結果は、本マウスがADHD病態動物モデルとして妥当性のあることを示唆するものであり、今後、本精神疾患の発症メカニズムの解明や特異的治療薬の開発に重要な役割を果たすことが期待される。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Roles played by histamine in strenuous or prolonged masseter muscle activity in mice2013
Author(s)
Hiroyuki Yoneda, Fukie Niijima-Yaoita, Masahiro Tsuchiya, Hiroyuki Kumamoto, Makoto Watanabe, Hiroshi Ohtsu, Kazuhiko Yanai, Takeshi Tadano, Keiichi Sasaki, Shunji Sugawara, Yasuo Endo
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Journal Title
Clin. Exp. Pharmacol. Physiol.
Volume: 40
Pages: 845-855
DOI
Peer Reviewed
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