2013 Fiscal Year Annual Research Report
末梢血由来幹細胞を用いた造精機能障害新規治療方法の開発
Project/Area Number |
24700436
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
本杉 奈美 東海大学, 実験動物センター, 特定研究員 (70465251)
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Keywords | 遺伝子改変マウス / 雄性不妊 / 系統維持 |
Research Abstract |
遺伝子改変マウスは、各種疾患のモデル動物として医学・医療分野あるいは生命科学分野の研究にも必須な存在であり、その解析には長期間を要するため、系統を維持するための繁殖が必要となる。しかし、ヒト疾患モデルとして作製された遺伝子改変マウスにて、精子の形成や成熟ができない造精機能障害による雄性不妊を示すことが報告されており、そのような系統を維持することは難しい。そこで本研究では、採取が容易なマウス末梢血から分離した単核細胞の培養に様々な因子を添加し、かつ得られた細胞を雄性生殖器へ移植することにより、雄性幹細胞様細胞の作成を試みた。 GFP陽性マウス末梢血より単核細胞を分離し、各種培地に様々な因子を添加した培地を用いて細胞培養試験を行い、生存率、増殖能の検討および至適条件の探索を行った。 また培養によって得られた細胞は、薬剤投与により内在性の精子幹細胞を除去した雄マウスの精巣および皮下に移植し、その増殖、分化を観察、追跡した。LIFを添加して培養したグループは、LIF+抗マウスMHCクラスII抗体”を添加したグループ との間に有意差がみられ、長期培養期間で単核細胞の増加が観察された。また抗マウスMHCクラスII抗体を添加して培養したグループでは、その培養を繰り返して行ったが安定した細胞培養系は確立できず、培養の再現性は乏しかった。細胞移植の結果は、特に抗マウスMHCクラスII抗体を添加して培養した細胞を移植したグループで、基底膜と間質細胞にGFP陽性を示す細胞が観察された。精細胞は基底膜上に見られる精祖細胞から成熟していくにつれ管腔側に移動していくのだが、基底膜およびその周辺領域以外ではGFP陽性を示す細胞は認められなかった。各因子を添加して30日間培養した細胞をマウス皮下へ移植した結果、αMEM + 10% FBS + LIFの条件で培養した細胞を移植したマウスで腫瘤が得られた。得られた腫瘤は、上皮細胞、間葉系細胞などを含んでいた。
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Research Products
(1 results)