2013 Fiscal Year Annual Research Report
マウスにおける胎児ー母体間栄養代謝相互作用と疾患感受性に関する研究
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24700440
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古瀬 民生 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 開発研究員 (60392106)
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Keywords | DOHaD / カロリメトリー / 胎児期低栄養 / 妊娠時低栄養 / 実験動物 / マウス |
Research Abstract |
妊娠前後では胎児への栄養輸送の必要などから、母体の基礎代謝は劇的に変化し、様々な疾患感受性に妊娠前と違った傾向が表れる。また、胎児は栄養を全て母体に依存しており、胎児の成長、疾患罹患率のみならず、胎児期の栄養因子が出生後の表現型に与える影響が注目されており、遺伝要因と外部環境が相互作用することが明らかになっている。本研究は妊娠時の母体と胎児の相互作用に関し、基礎代謝と疾患への感受性に着目してマウスを用いて詳細に検討することを目的として研究を行った。その結果、妊娠マウスへ提供する飼料は通常食(AIN93G)と低タンパク食(AIN93Gのカゼインを1/4に減じたもの(LP)に特化させた。妊娠前の母獣に関し、血液生化学検査を行ったところ、標準食群とLP群において血中タンパク質、血中脂質、血糖値などのパラメータに統計的有意差が検出された。母獣の体重に関しては妊娠前に群間で差が見られなかったのに対し、妊娠後は低タンパク食群に体重低下が見られた。また、成長した産仔の血液生化学検査において、肝機能に関するパラメータに明瞭な差が見られたことから、妊娠期の母子間栄養輸送に何らかの異常をきたしている可能性が示唆された。また、今後の研究発展のため、新生仔と成獣産仔の脳と肝臓の採取を行い液体窒素による急速凍結後、保管を行っている。今後はこれらの臓器の遺伝子発現データなどをもとに、胎児期低栄養に対する感受性の高い遺伝子を探索するとともに、それらの変異マウスの妊娠時の代謝パラメータの変化を確認したい。妊娠時の母獣の呼吸商などの代謝パラメータの測定に先立ち、未妊娠のC57BL/6のカロリメトリー測定を行い、コントロールデータの収集を行った。その結果、未妊娠マウスに関しては安定的なデータが得られている。
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Research Products
(7 results)