2012 Fiscal Year Research-status Report
トラクトグラフィを用いたヒト鉤状束拡散パラメータと認知・記憶機能検査との相関解析
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24700456
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 哲大 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (90362839)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 拡散テンソルMRI |
Research Abstract |
1)SubjectとTemplateのそれぞれの拡散テンソル画像に含まれるb0画像(拡散強調こう配なしの画像)を用意した。2)b0画像同士で非線形変換を使って位置合わせを行った。3)非線形変換から得た変形パラメータを用い、Subjectの拡散テンソル画像を変形した。4)健常者群において、3)の手続きでは外形の大きなズレがないことを確認した。5)Templateと位置合わせ後のSubjectの拡散テンソル画像からそれぞれTractograrphyを描出した。6)b0画像から位置あわせされたTractographyとTemplateのTractographyを比較し、Templateの解剖学的ラベルを付与できるか内部構造のズレを検証した。7)脳拡散テンソル画像から、ロバストに鉤状束のTractographyを抽出する手法を確立した。2つの関心領域(ROI)を通るTractography法で、鉤状束を選択的に抽出するための設定法を開発した。各被験者に共通して鉤状束を抽出できるようTrackingに使用するパラメータを調整した。8)各被験者から抽出できた鉤状束領域における、拡散テンソルパラメータを算出した。鉤状束領域全体の平均を用いるか、部分ごとに分けて算出するか検討した。各年代にわたる健常者の拡散パラメータ(サイズ・方向)と機能検査結果とを比較し、Tractographyによる客観的な機能検査評価を行った。機能に関連した代謝情報をあらわすMRSについても機能検査スコアとの相関を算出し、MRIを用いた認知・記憶機能評価が可能か検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Tractography から特定の神経線維束を定量的に抽出するには、異なる被験者間の拡散テンソル画像の位置合わせが必要となる。そこでまず画像を位置合わせした結果得られた変形パラメータが、Tractography にどのような影響を及ぼすかについて比較検討できた。まず、被験者間(TemplateとSubject)の拡散テンソル画像の位置合わせ方法について検討できた。次に、鉤状束のTractographyを定量的に抽出する手法を開発し、Tractography領域の拡散異方性や拡散率などの拡散テンソルの各パラメータと、機能検査のスコアとの相関が算出可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
各年代にわたる健常者の拡散パラメータ(サイズ・方向)と機能検査結果とを比較し、Tractographyによる客観的な機能検査評価を行う。機能に関連した代謝情報をあらわすMRSについても機能検査スコアとの相関を算出し、MRIを用いた認知・記憶機能評価が可能か検討する。さらに、てんかん外科術前後において上記手法を適用し、てんかん患者の認知・記憶機能の変化を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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