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2013 Fiscal Year Research-status Report

計算機シミュレーションによる肺葉切除術後の呼吸機能とステント留置術の効果の予測

Research Project

Project/Area Number 24700457
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

平野 靖  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90324459)

Keywords肺葉切除術 / 肺野領域変形シミュレーション / 呼吸機能シミュレーション / 有限要素法 / 並列計算
Research Abstract

本年度は,肺葉切除術施行前の胸部CT像から,仮想的に術後の肺野領域を生成する手法の開発を行った.本年度以前に同様の手法をばねモデルを用いて開発したが,新たに開発した手法は有限要素法(FEM)によって肺野領域の変形を行うものであり,実際の物性値に即した変形が期待できる.気道領域内の流体シミュレーションに関しては,気道領域の精密抽出手法の開発,および流体シミュレーション手法の改善を行った.新たに開発した気道領域の精密抽出手法によって,第4分岐程度の細い気管支枝まで抽出できるようになった.これと流体シミュレーション手法の改善により,従来より正確かつ視覚的に結果を理解しやすい呼吸機能シミュレーションが可能になった.また,合わせて,気道領域内に擬似的な狭窄を生じさせた際の空気の流れをシミュレーションした.これまで,医師の臨床的な経験と直感によって狭窄の程度と呼吸機能の関係が知られていたが,擬似的な狭窄に対するシミュレーションによって,この関係を数値的および視覚的に示すことが可能となった.
上記の肺野領域変形シミュレーションおよび流体シミュレーションには,大規模な計算が必要になる.そこで,GPU並列計算プログラムを簡便に作成するための環境を開発した.この環境を用いることにより,逐次計算プログラムを作成する場合と同程度の労力でGPU並列計算プログラムを作成することができ,作成したプログラムは逐次計算と比較して最大50倍程度の計算速度を得ることができた.
ステント留置術による呼吸機能改善シミュレーション手法に関しては,基礎検討を行った.上記の肺野領域の変形シミュレーションと,狭窄部分に対する流体シミュレーションを微修正することによってステント留置術による呼吸機能改善シミュレーションが可能であるとの結論を得た.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成25年度には,おおむね研究計画に沿った研究を行ったが,仮想的なステント留置術手法の開発は行わなかった.これは,研究を進める段階で,仮想ステント留置術手法を開発する上で検討すべき事項が露見したため,それらに対する検討や基盤的な手法の開発を行った.仮想的なステント留置術手法の開発については,これまでに開発・検討した結果を基に平成26年度に最終的な目標を達成できる見通しである.
一方で,そのほかの課題(気道領域抽出手法の改良および流体シミュレーション手法の改良)については,順調に達成した.

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は次の項目についての研究を行う.(1)肺葉切除術施行前のCT像から,仮想的に肺葉切除術施行後のCT像を生成する.(2)仮想的に生成された肺葉切除術施行後CT像から,これまでに開発してきた気道領域抽出手法によって気道領域を抽出する.(3)この気道領域に対して流体シミュレーションを行うことによって,肺葉切除術施行前のCT像を用いて,肺葉切除術施行後の呼吸機能の推定を行う.さらに,(4)この呼吸機能の推定によって,呼吸機能が大幅に低下することが予測される場合には,仮想的なステント留置術による呼吸機能の改善シミュレーションを行う.なお,(1)については,平成25年度までは仮想的な肺葉切除術施行後の肺葉領域形状のみをFEMによって生成したが,平成26年度は肺野領域内のCT値も含めた変形シミュレーションを行うことによって仮想的な肺葉切除術施行後CT像を生成するものである.
また,共同研究先からは,肺葉切除術施行前と施行後のCT像の組を提供されている.これらのCT像の組を比較することにより,(5)仮想的な肺葉切除術施行後CT像の生成シミュレーション手法の妥当性,(6)気道領域抽出手法の妥当性,および(7)流体シミュレーションによる呼吸機能の評価方法の妥当性を検証する.

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 一般化空洞強調フィルタによる胸部CT像からの気管支領域抽出手法の開発2013

    • Author(s)
      平野 靖,徐 睿, 橘 理恵,木戸 尚治
    • Journal Title

      電子情報通信学会論文誌D

      Volume: J96-D Pages: 824-833

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ITKのためのGPGPUプログラミング支援環境2013

    • Author(s)
      秋山 亮太, 徐 睿, 平野 靖, 木戸 尚治
    • Journal Title

      Med Imag Tech

      Volume: 31 Pages: 153-158

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 胸部CT像に対するFEMによる仮想肺葉切除後の肺野形状の作成2014

    • Author(s)
      空尾 英樹,平野 靖,木戸 尚治
    • Organizer
      メディカルイメージング連合フォーラム 2014
    • Place of Presentation
      沖縄ぶんかテンブス館, 那覇市, 沖縄県
    • Year and Date
      20140126-20140127

URL: 

Published: 2015-05-28  

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