• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

ペプチドナノニードルを用いたマルチステップ抗原デリバリーによる細胞性免疫制御

Research Project

Project/Area Number 24700479
Research InstitutionKyoto Institute of Technology

Principal Investigator

和久 友則  京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教 (30548699)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsドラッグデリバリーシステム / ペプチド / 自己組織化 / ナノ会合体
Research Abstract

薬物や抗原をターゲット細胞に効率的に送達するデリバリーシステムの構築を目的として、高分子ナノ粒子やリポソームなどの球状キャリアの開発が活発に進められてきた。近年、キャリアの形態は①体内動態、②細胞による取り込み、③細胞内での局在などに影響を与える重要な因子であることが明らかとされ、球状のみならず異方性形態を持つナノ構造体がDDSキャリアとして注目されている。しかし、その報告例は少なく、形態とキャリア機能との相関に関する知見はまだ十分に蓄積されていない。
我々は異方性キャリアとして、①高いアスペクト比、②設計の自在性および③生体適合性を有する点に着目し、ベータ-シートペプチドの自己組織化により形成するペプチドナノファイバーを選択した。本研究では、ナノファイバーの形態に基づく新規なDDSキャリア機能を探索するとともに、その得られた知見を基にした新規な抗原デリバリーシステムを開発することを目的とする。本年度は、ベータ‐シートナノ会合体の構造を精密に制御し、その形態や構造の違いが抗原提示細胞との相互作用 (取り込み機構や細胞内動態)に与える影響について詳細な評価を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

『ベータシート配列』に『抗原配列』と『親水性配列』を導入したハイブリッドペプチドから、その『親水性配列』を表面に持つペプチドナノニードルを調製できることを見出している。この知見に基づき、親水鎖の構造を種々変化させることでナノニードルの構造制御を試みた。具体的には、細胞やタンパク質との相互作用の小さいオリゴエチレングリコール(oEG)、細胞表面との相互作用の高いカチオン性成分としてHIV-TATペプチド、アニオン性成分としてオリゴグルタミン酸を、親水性ブロックとして用いた。さらに、これらの分子鎖がナノニードル表面に集積化されたときの表面分子鎖密度は、細胞との相互作用に強く影響を及ぼすと考えられる。そこで、それぞれの親水性ブロックに関して、分子量の効果について検討した。これらのうちすべての種類のビルディングブロックペプチドの合成は行い、会合体形成挙動を調査した。いずれのビルディングブロックからもナノファイバー状の会合体形成を確認した。しかしながら、生理条件下における会合体の安定性や分散安定性は種類によって異なっており、一部のものでは著しく安定性が低かった。そのため、すべてのナノ会合体に関しての細胞取り込みを評価することができなかった。これらは年度当初の計画に盛り込まれていた内容であるので、やや遅れていると評価した。

Strategy for Future Research Activity

表面構造の制御されたペプチドナノ会合体の免疫細胞による取り込みをフローサイトメーター解析および共焦点レーザー顕微鏡観察により評価する。既報の方法に従って、阻害剤の影響を調べることで取り込み経路について詳細に解析する。各小胞器官を蛍光標識し、共焦点レーザー顕微鏡で観察することによりぺプチドナノ会合体の細胞内動態についても詳細に解析を行う。さらに、MTTアッセイによる毒性試験、活性酸素種の生成評価、サイトカインなどの定量による免疫細胞の成熟化評価など、ペプチドナノ会合体が細胞に与える影響について多角的に調査する。ペプチドナノ会合体の構造と細胞との相互作用との相関関係を整理しペプチドナノ会合体の形態に基づく新規キャリア機能の開拓を行う。さらに、以上の知見をもとに、ペプチドナノ会合体の免疫活性化能を、in vitroおよびin vivoで評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

実験にかかわる消耗品などの物品費に用いる。研究成果を発表するための学会(国際1回、国内5回)の旅費に使用する。論文投稿に関わる諸費に使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] The effect of shape of antigen-loaded peptide nano-assemblies on their adsorption and internalization by cells2012

    • Author(s)
      和久友則・北川雄一・川端一史・功刀 滋・田中直毅
    • Organizer
      The 9th SPSJ International Polymer Conference
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
    • Year and Date
      20121211-20121214
  • [Presentation] 異方性形態を有するペプチドナノ会合体による抗原ペプチドの細胞質デリバリー2012

    • Author(s)
      和久友則・北川雄一・川端一史・功刀滋・田中直毅
    • Organizer
      第61回高分子討論会
    • Place of Presentation
      名古屋工業大学
    • Year and Date
      20120919-21

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi