2012 Fiscal Year Research-status Report
小児成長モニタリング用オープン型コンパクトMRIの開発
Project/Area Number |
24700492
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
寺田 康彦 筑波大学, 数理物質系, 助教 (20400640)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | オープンコンパクトMRI / 骨年齢 / 小児の成長 / 小型永久磁石 / シングルチャネルシムコイル / 勾配磁場コイル / RFコイル |
Research Abstract |
小児の成長は,手の骨の成熟度を示す骨年齢で評価される.骨年齢は, これまでX線画像をもとに評価されていたが,放射線被曝の問題などにより,X線計測に代わる新しい計測手法が求められている.本研究では,小型の永久磁石を用いて,小児が楽な姿勢で,保護者と一緒に負担なく検査を受けることのできる,オープン型コンパクトMRIシステムを開発し、さらに,MR画像から骨年齢を評価するプロトコルを確立することを目的としている. 本年度は、小児の手のサイズに合わせて小型化した磁気回路を新たに購入し,よりコンパクト性の高いMRIシステムを開発した.具体的には、以下の五つの項目について開発を行った。まず、①小児の手の大きさに最適化した小型のC型永久磁石磁気回路の設計し、購入した。磁気回路の主な仕様は,MRI用C型NdFeB磁石,中心磁場強度0.3T前後,磁極間ギャップ12 cm,ポールピース直径36cm前後,均一磁場空間18cm球×6cm高であった.次に、②シングルチャネルシムコイルを設計して、磁場均一性調整を行って、数ppm程度の磁場均一性を得た。また、③NMR信号に位置情報を付与する勾配磁場コイルを、遺伝的アルゴリズムによって最適化設計し,自作した.さらに、④手の撮像領域に適した長円形のソレノイド・RFコイルを製作した。また、⑤周辺雑音対策として,シールド・ルームなしで,より狭いスペースへ設置可能な局所シールド板からなる局所シールドを作成した。開発したMRI装置を使い、成人女性(22歳)と小児(5歳)の左手首を撮像し、従来装置と同程度の画質を得ることに成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画のとおり、小児成長モニタリング用オープン型コンパクトMRIの開発を行い、撮像実験を行って十分な画質のMR画像を取得できることが確認できた。さらに、3報の関連論文を発表し、学会発表も行うなど、成果発表に関する実績も十分なため、概ね順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
数十人から数百人程度の小児ボランティアを対象に,手と手首の撮像を行う.撮像中にビデオなどを上映し,動きを抑えることで,画像に現れるアーチファクトを最小限に抑える.得られた結果を,システム改善にフィードバックする. さらに,MR画像から正確な骨年齢を算出するプロトコルを確立する.骨形状や骨体積と,暦年齢との相関を調べ,骨年齢を自動算出するソフトウェアを開発する.また、得られた結果に対し,研究協力者である放射線科専門医の医学的所見を得て,妥当性を検証する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
成果発表論文(英語)の添削費用、論文掲載費用、学会参加費などに充てる予定である。
|
Research Products
(6 results)