2012 Fiscal Year Research-status Report
CT像からの高精度腸管抽出に基づくクローン病診断支援システムの開発
Project/Area Number |
24700494
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小田 昌宏 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (30554810)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 医用画像処理 / 診断支援システム / 画像認識 / 画像情報処理 / 病変検出 |
Research Abstract |
CT像に基づく小腸及び大腸におけるクローン病の診断支援システム開発を目的とし、平成24年度はシステム開発の基礎となる腸管抽出手法、可視化手法の研究を行った。また、平成25年度の研究計画に含まれる潰瘍自動検出手法の実現の実現に向けた研究も行った。平成24年度の研究実施計画として定めた以下の項目の研究実績について述べる。 【腸管自動抽出手法の開発】CT像から小腸及び大腸を自動的に抽出する手法を開発した。この手法では、小腸及び大腸内の空気領域と残渣領域の位置関係及びCT値に基づき、小腸及び大腸の全体を抽出することとした。また、残渣領域を空気領域のCT値へと置き換え、仮想的に腸管内を洗浄する手法の開発を進めた。 【選択的可視化手法の開発】複雑な形状の腸管の形状を容易に把握可能とすることを目指し、腸管の表示手法について検討した。腸管の壁面のみを可視化することで腸管の形状を表現できるため、CT像上の空気と体組織の接触部分のみを選択的に可視化することで腸管を表示する。この表示法が腸管形状の直感的理解に有用であるか検討した。 【潰瘍及び狭窄自動検出手法の開発】クローン病によって発生する病変である潰瘍を検出するため、局所濃淡構造解析による検出手法が有用であるか検討した。実際に潰瘍が存在するCT像に対して、この検出手法の有用性を調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究の目的を達成するため、平成24年度の研究実施計画として定めた以下の各項目についての達成度を述べる。 【腸管自動抽出手法の開発】CT像に含まれる小腸及び大腸内の空気領域だけでなく、残渣領域まで自動抽出する手法を開発した。また、残渣領域を空気領域に近いCT値に置換することで仮想的に残渣を除去することも可能とした。 【選択的可視化手法の開発】CT像に含まれる様々な体組織の中で、空気と体組織の接触部分のみを可視化することで、腸壁の形状を分かりやすく表示する可視化手法を作成した。この可視化手法は高速に画像を描画可能であり、ユーザの操作に応じて任意の視点位置から見た画像を生成できる。 【潰瘍及び狭窄自動検出手法の開発】平成25年度の研究実施計画である本項目の基礎的な検討を行った。潰瘍検出に局所濃淡構造解析手法が利用可能であるかどうかを、実際の潰瘍症例のCT像を用いて検討した。その結果、本手法が潰瘍の一部を検出可能であることが分かった。 上記のように、今後のクローン病CADシステム開発に必須の各手法の開発を行っており、当初の計画以上に研究が進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は潰瘍及び狭窄自動検出手法の開発、クローン病CADシステムの開発、診断結果情報出力機能の開発を行う予定である。各研究課題についての詳細を以下に説明する。 【潰瘍及び狭窄自動検出手法の開発】局所濃淡構造解析手法により潰瘍の一部が検出可能であるため、これを利用して潰瘍の全体を高精度に検出することを目指す。また、腸管の太さと腸壁肥厚の度合いを評価し、腸管の狭窄を検出することを目指す。 【クローン病CADシステムの開発】本研究で開発する各要素技術を実装したクローン病CADシステムを開発する。腸管外形の3次元形状可視化に加え、腸内の仮想化内視鏡像、仮想展開像、断面像なども表示可能とする。医学系研究科研究者の意見を取り入れながら、誤りなく少ない操作ステップでシステムを利用可能なユーザインタフェースを実現する。 【診断結果情報出力機能の開発】腸管の形状や病変の位置・形状・体積などの診断結果情報を、紙面上、ウェブサイト上、タブレット端末上、コンピュータ上などそれぞれの媒体上での参照に適した形式で出力可能とする。そのためにサーバと端末間をネットワークで結び、様々な端末で診断結果を参照可能とする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度はワークステーションを1台購入した。このワークステーションの価格が研究計画調書作成時よりも下がったため、次年度に使用する研究費が生じた。この研究費は、平成25年度に購入する予定のサーバの購入費として使用する予定である。サーバ購入用の予算が増加したため、より高性能なサーバを購入する予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
-
[Presentation] Supine and prone registration of the colon for CT colonography based on dynamic programming technique2013
Author(s)
Masahiro Oda, Eiichiro Fukano, Takayuki Kitasaka, Tetsuji Takayama, Hirotsugu Takabatake, Masaki Mori, Hiroshi Natori, Shigeru Nawano, and Kensaku Mori
Organizer
SPIE Medical Imaging 2013
Place of Presentation
Disney's Coronado Springs Resort, Florida, USA
Year and Date
20130213-20130213
-
-