2013 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化の見える化:血管内皮・平滑筋機能の独立計測による動脈硬化進行度の定量診断
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24700495
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢口 俊之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (70385483)
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Keywords | 動脈硬化 / 平滑筋細胞 / 内皮細胞 / 早期診断 / 非侵襲計測 |
Research Abstract |
動脈硬化を超早期段階で発見するため血管の内皮細胞(以下EC)と平滑筋細胞(以下SMC)の機能を非侵襲で評価する新技術の開発を行った.既存のEC機能評価法であるFMD (Flow-mediated dilation)法に,本研究で提案するSMC機能評価法であるチョッパ圧負荷 PMC (C-PMC, Chopped-pressure mediated contraction)法を組み合せ,ECとSMCの機能を独立に計測する.SMCは伸展させると収縮する性質(ベイリス効果)があり,C-PMC法ではこれをSMCの健康度と位置付けた.まずC-PMCシステムによりベイリス効果を効果的に惹起するチョッパ圧条件を検討した.また,動物モデルでFMDを再現し詳細に検討するための実験環境を構築した.C-PMCについては,血管拍動に同期したチョッパ陰圧を用いた.その結果,従来法でのステップ陰圧負荷時間である2分間に対し,チョッパ陰圧負荷30秒でも同程度の血管収縮が生じること,また従来法と同じ2分間のチョッパ陰圧負荷ではより大きな血管収縮が生じること等が確認された.さらにC-PMCでは圧除荷時の超音波画像取得により,従来法で問題とされた圧負荷時の血管移動とそれに伴う画質低下も解決できる可能性が示された.FMD再現の動物モデル構築については,麻酔下に家兎総頸動脈を露出してFMD応答を再現した.これを用いて観察されるFMD応答がEC機能によるものかを確認するために物理的ダメージとして圧平を施し,圧平前後のFMD応答を計測した.その結果,圧平後はFMD応答が減弱した.また計測後にこの血管を摘出し,走査型電子顕微鏡で血管内腔を観察した結果,ECの部分的な剥離や形態変化などが観察され,圧平後のFMD応答減弱がECの受けたダメージによる可能性が示唆された.今後,動物モデルでのC-PMCの検討が必要である.
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Research Products
(9 results)