2012 Fiscal Year Research-status Report
周期構造化により低周波数帯域の電気的特性を合致させた電磁ファントムの研究
Project/Area Number |
24700502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山本 隆彦 東京理科大学, 理工学部, 助教 (50579761)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ファントム / 誘電率 / 導電率 / 電気的特性 |
Research Abstract |
薬事法の改正によりすべての医療機器は電磁両立性(Electromagnetic Compatibility : EMC)を満足することが義務づけられた。体内埋込型や密着型の医療機器においては,生体の影響を考慮し機器が実際に使用される状態に近い条件下でEMC試験を行うことが望ましい。これを実現する方法の一つとして,ファントムの使用が挙げられる。薬事法により定められたEMC試験を行う上で必要なファントムの電気的特性は誘電率および導電率である(以下,電気的特性という)。これらの電気的特性が生体と合致するものが求められる。広く用いられている高含水ゲルファントムは300 MHz~2.5 GHzの帯域において生体組織とほぼ等しい電気的特性が保証されているが,例えば薬事法に基づいたEMC試験項目の一つである放射性妨害波の試験周波数帯域(30 MHz~1 GHz)と比較すると,低周波数帯域において十分とはいえない。 本研究は周期構造化により低周波数帯域の電気的特性を生体と合致させた電磁ファントムの研究開発であるが,平成24年度は特に周期構造のための原料の調査と測定評価を行った。従来ファントムの誘電率は生体の筋肉組織と比較して低く,従来の原材料の調合割合を調整するのみでは低周波数帯域においては所望の電気的特性を得られないことが明らかになっていた。これに対し,ナノテクノロジーを支える材料の一つであるカーボンマイクロコイルを従来の高含水ゲルファントムに添加することにより,誘電率の増加が確認され,生体と近い電気的特性が得られることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来ファントムの誘電率は生体の筋肉組織と比較して低く,従来の原材料の調合割合を調整するのみでは低周波数帯域においては所望の電気的特性を得られないことが明らかになっていた。単一材料により生体の低周波数帯域における電気的特性を模擬することが困難であることから,本研究では周期構造を有するファントムについて提案し,検討を行うことになっている。本研究で提案するファントムは材料の異方性を含めた模擬が期待でき,実際の生体に近い電気的特性を実現できる可能性を有しているものの,試作が容易ではないなどの欠点もある。 これに対し,平成24年度に検討を行ったカーボンマイクロコイルを添加したファントムは異方性を有すことはないが,種々の材料を混合し加熱するのみであるため試作が容易であり,しかも従来のファントムよりも生体に近い誘電率特性が得られた。このため,さらなる材料定数の調整は必要であるものの,低周波数帯域における電磁ファントムの標準として普及することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
カーボンマイクロコイルを添加したファントムの材料調合割合のさらなる検討を行うと同時に,カーボンマイクロコイルの添加による誘電率特性増加についてのメカニズムの解明を行う。これより,各周波数帯域における材料調合割合を決定し,レシピとして公開することを目指す。 また,上記ファントムを活用した上で,周期構造を有する電磁ファントムの試作を行い,特性評価を行うと同時に異方性を考慮したファントムの実現を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使途の多くはファントム試作のための材料の購入に充てる。その他,成果発表のための学会参加費,論文投稿料,英文校正料,旅費などに使用する予定である。
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Research Products
(4 results)