2013 Fiscal Year Annual Research Report
触診ロボット・三次元医用画像・軟組織変形モデルによる生体内弾性分布の定量的同定法
Project/Area Number |
24700507
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
星 雄陽 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (50535284)
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Keywords | 医用ロボティクス / 医用計算力学 / 軟組織変形シミュレーション |
Research Abstract |
【研究の概要】 人体内部の軟組織の硬さに関する情報は、軟組織の変形の数値シミュレーションにおいて必要不可欠であるが、これまで硬さ情報を定量的に同定することが困難である問題があった。本申請課題は、「医用ロボット」・「医用画像処理」・「計算力学」の技術を活用した『力学モデルベースド弾性分布同定法』を提案し開発をおこなってきた。 【実績の概要】 提案手法について、次の研究開発を実施した。(1)非線形材料モデルを用いた軟組織変形シミュレータの開発:前年度に開発した線形材料モデルを用いたシミュレータをベースに、人体の軟組織特性をより精確に表現する非線形材料モデルを用いた軟組織変形シミュレータを構築した。本シミュレータは、前年度まで検討をおこなってきた線形弾性特性に加え、軟組織変形における非線形弾性特性と粘弾性特性を反映した変形シミュレーションを実現する。また、動物より摘出された組織試料を対象として動的粘弾性試験等の材料試験をおこない、シミュレータとの比較検証を実施した。(2)ロボットシステムの開発:提案する弾性分布の同定手法を実現するために前年度に実験室環境用として開発した一次試作システムを活用しながら、臨床環境を想定した二次試作ロボットシステムの構築を実施した。特に、ロボットによる触診の機構的安全性向上を意図して、アクチュエータとアクチュエータ先端に取り付ける超音波プローブの間に機械式伝達力遮断装置を設ける機械設計を実施し、人体への過度な圧迫を回避する安全性の高い触診ロボット機構を開発した。(3)提案手法の評価実験:試作ロボットシステムを使用した検証実験を実験室環境にて実施し、提案手法が軟組織の弾性率値分布を定量的に推定する能力を有することを確認した。以上の本研究の成果を基盤とし、今後は変形シミュレーションを活用した医用システムの実現を目指す。
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