2012 Fiscal Year Research-status Report
開心術の安全性向上を目的とした新規な人工心肺シミュレータの開発
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24700511
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
徳嶺 朝子 近畿大学, 生物理工学部, 助教 (90435058)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 人工心肺 / 体外循環教育 / 教育用シミュレータ |
Research Abstract |
本研究では、新規な人工心肺シミュレータの開発を目的とし、ハードウェアの開発とソフトウェアの開発を中心柱として掲げている。平成24年度の研究計画に従って、ハードウェアの開発を実施した。当初予定では、現有機器である人工心肺装置および遠心ポンプ装置の通信ポートより信号を導出する予定であったが、多種多様な人工心肺装置に適用できるようにするため、2つの流量計を使用し、送血流量と脱血流量を計測できるように工夫した。なぜなら、通信ポートより信号を出力することは可能であるが、複数社あるデバイスに対して個々に対応するよりも一つの計測システムを作成することで、マルチな対応が可能になると考えたためである。圧力計は、関連学会により推奨される人工肺の2箇所で計測できる。 大きな特徴となるソフトウェアについては、本研究の遂行によって大きく飛躍し、可能性の幅を広げることができた。まず、シナリオ作成については、独自のアルゴリズムで施設毎の自由なシナリオ作成を可能にした。当該年度の関連学会で研究発表を実施し、その有用性について述べることができ、また、大学病院の臨床工学部と連携した本システムを使用したパフュージョントレーニングを3月に実施した。操作性を考慮したモニタ表示の考案においては、当初5台のモニタを使用する予定であったが、シミュレーショントレーニングを実施する上で、全員がトレーニングシナリオを共有(確認)するためのモニタが必要であったため、23インチのタッチパネルモニタを1台追加した。これにより、他の施設または教育セミナーではみたことのないシミュレーション環境が作製することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実施計画のうち、24年度予定分に関してはほぼ完了している。ハードウェアの開発については、システム体系が完成した。25年度は増築等を実施する。 シナリオプログラムについては、当初予定計画は完成した。更なる改良のため、引き続きプログラムの更新作業を継続する。また、24年度に8件の研究学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ハードウェアは、計測システムの完成により、現在までに送脱血流量の測定と2箇所の圧力計測を可能としているが、25年度は複数の圧力計(または流量計)を追加することで、更なる計測を可能にする予定である。 ソフトウェアについても、更なる改良のため、引き続きプログラムの更新作業を継続する。多くの技士に本システムを利用して意見を頂く予定である。その際には、アンケート調査を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
計測システムの増築用として、流量計1および圧力計2を計上予定である。また、シミュレーショントレーニング用の体外循環回路および付属品の購入を予定している。 また、情報収集のため、多くの学会に発表及び聴講参加を予定している。研究成果発表用(国際学会)、研究成果として国際誌への投稿を予定しているため、英文校閲費を計上した。
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