2013 Fiscal Year Research-status Report
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24700512
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
金 大永 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (60461860)
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Keywords | 手術用ロボット / 膵臓 / ステープリング |
Research Abstract |
研究の2年度に入り、第2次・3次のマニピュレータの設計・製作を行った。初年度に製作したマニピュレータは市販のステープラに装着可能な形であったが、膵臓からの反力を間接的に計測する為、偏差値が大きい問題があった。 従い、鉗子先端部により近い場所で反力を計測する為、市販のステープラの針を取り入れることが可能な駆動部を設計・製作した。力センサを駆動部の中に入れ、先端で挟む際に発生する膵臓からの反力をロッドを通して計測する。臨床応用を目的とした設計であるか確かめる為、ブタ実験を用いた性能評価を行った。結果として先端での力を正確に計測することが可能であり、ステープラから膵臓に針を入れ込む際の力まで計測出来た。圧座された組織は研究協力者の協力ですぐホルマリンで固定して標本化した。 標本化した組織を定量的に評価するために画像処理を行うことにし、標本をバーチュアルスライドにして画像を用いた分析を行った。画像を用いた分析では、どれ程膵臓に損傷があったのかを数値として評価することで、今までの定性的な評価であった圧座による損傷が、より明確になった。 しかし、圧座されて針が入ってしまった膵臓はホルマリンで固定しても標本にすることが出来ず、また、術者が術中ずっとマニピュレータを保持する必要があり、3次製作を行った。鉗子の先端は圧座のみ可能であり、圧座される膵臓組織も観察可能である。ブタ実験まで成功し、その標本を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画は、臨床応用を目的とした第2次・3次の製作であった。 臨床応用の可能性が高いマニピュレータを設計・製作し、ブタ実験を用いてその有用性を確認した。2回に渡って行ったマニピュレータは、術前のセットアップ時間、術中の動作、術後の片付けまで順調に運用可能であった。圧座される際の膵臓からの反力も問題なく計測出来た。2次制作で出てきた問題点を3次制作で解決し、ブタ実験でも円滑な運用が可能であった。 研究協力者の協力の基で、膵臓組織の標本をバーチュアルスライドにし、画像処理をすることで圧座の定量的な評価が出来たのも良い成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、把持力の弱い市販の鉗子を使用しないで、新しい鉗子を設計・製作する予定である。製作したマニピュレータはファントムを用いて性能を評価し、ブタ実験を行う。ブタ実験で得られた組織で標本を製作し、今までの結果と比較する。 しかし、in vivoでは十分な数の標本を取ることが不可能なため、平成26年度は摘出臓器での実験をより多く行う予定である。 術後のヒトの膵臓を用いた反力データや術中得られる超音波画像診断装置を用いたエラストグラフィにてのデータを集め、比較・分析を続ける。 今まで得られた結果は、国内や海外の学会に1回ずつ発表し、査読付きの論文を発表する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
参加した国際学会開催が日本での開催だったため、予定した旅費より少なく、次年度使用額41,405円が発生した。 エラストグラフィでの計測に必要なファントムは一回使用したら使用不可能になるため、ファントム購入に使用したい。
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Research Products
(4 results)