2013 Fiscal Year Research-status Report
徒手筋力検査のためのグローブ型表面筋電図計測システムの開発
Project/Area Number |
24700523
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水戸 和幸 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90353325)
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Keywords | 表面筋電図 / 神経支配帯 / 腱 / 表面多電極 |
Research Abstract |
本研究は,表面筋電位信号計測を容易にするための電極貼付位置を推定するシステムの開発を目指す. 平成25年度は、(1)筋末梢部位である腱を見つけ出すためのアルゴリズムの構築、(2)筋線維走行方向と電極角度を推定するアルゴリズムの構築、(3)簡易計測のための格子状多電極内臓グローブの製作、の3課題に取り組んだ。 課題(1)に関して、表面筋電位信号の計測には直径1mmの銀線を電極間距離5mmで17本配置した16チャンネルのアレイ電極を用いた。電極は上腕二頭筋の近位部もしくは遠位部に配置した。随意性最大収縮力の30%~40%程度の力を発揮して貰い表面筋電図を計測した。結果として、筋末梢部付近の隣接する信号間の相関係数は0.7以下を示し、それ以外の領域(0.9以上)と比較し顕著に低下する傾向が認められた。また、同時に計算した筋線維伝導速度(MFCV)も筋末梢部では10 m/s 以上となり、それ以外の領域の3~5 m/s よりも顕著に高い値を示すことから相関係数およびMFCVより筋末梢部である腱の位置を同定できると判断した。 課題(2)に関して、電極および発揮筋力の実験条件は課題(2)と同じである。アレイ電極の長軸を筋線維走行方向に対して0°~40°に傾けて表面筋電位信号を計測した。結果、傾き角度が大きくなる程、信号間の相関係数が低下する傾向が認められたが、個人差が大きいことから電極角度推定のアルゴリズムを構築するには至らなかった。今後、再検討が必要である。 課題(3)に関して、直径2mm、高さ3mmの銀線を電極間距離5mmで縦6極、横4極配列した24極の多電極を手袋に設置したグローブ型電極を用いて実験を行った。グローブ型電極で被験筋を覆い(押さえ)、表面筋電図を計測したところノイズが多く混入し、明瞭な信号を計測するには至らなかった。今後、電極条件およびノイズ除去について検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、筋末梢部である腱を推定するアルゴリズムの構築ができた。筋線維走行方向と電極角度を推定するアルゴリズムの構築および簡易計測のための格子状多電極内臓グローブの製作には不十分な部分もあり検討の余地があるが、計画通りに課題が遂行できていることからおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
筋線維走行方向と電極角度を推定するアルゴリズムの構築に向け、個人差の影響について検討する。また、簡易計測のための格子状多電極内臓グローブの製作おいては、電極の直径や電極間距離などの電極条件、ノイズ除去の方法について検討を行う。
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