2014 Fiscal Year Annual Research Report
徒手筋力検査のためのグローブ型表面筋電図計測システムの開発
Project/Area Number |
24700523
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
水戸 和幸 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (90353325)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面筋電図 / 神経支配帯 / 格子状電極 / 導電性布 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,筋肉の力を判定する徒手筋力検査において、筋力を表面筋電図にて客観的に評価することを目的としている。 平成26年度は、主として(1)格子状多電極内臓グローブの製作と筋活動情報通知システムの開発、(2)導電性布電極による表面筋電図計測、に取り組んだ。 課題(1)では、直径2mm、高さ3mmの銀線を電極間距離5mmで縦5極、横2極配列した10極の多電極を手袋の掌部分に設置したグローブ型電極を製作し、表面筋電図の計測を行った。被験筋は大腿四頭筋(内側広筋)である。発揮筋力は、最大筋力(MVC)の20~60%の等尺性収縮とした。検査者は、利き手に圧縮型のロードセルを内蔵した筋力測定器を用いて足首付近に抵抗を加えた。このとき内側広筋を利き手に装着したグローブ型電極で押さえ、表面筋電図を計測した。ノイズの影響を除去するために、ローカット10Hzのデジタルフィルター処理にて、解析を行ったところ、筋力に応じた振幅情報および筋電位信号の伝播速度である筋線維伝導速度を計測することができた。しかし、グローブ電極を皮膚に強く押し当てることにより被験者に痛みや不快感を与えることが課題として残った。 この問題を解決するために、課題(2)では、電極に導電性布を用いた基礎的な筋電図計測実験を行った。30mm四方の導電性布電極をスポーツサポーターに縫い付け、漸増負荷実験および長時間負荷実験を行った。結果、漸増負荷実験では筋力に応じた振幅量の増加傾向が認められ、長時間負荷実験では疲労に伴う周波数の徐波化が認められ、導電性布が筋電図計測に利用できることが確認された。また、金属製電極のような装着における痛みや不快感の訴えは、認められなかった。
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