2017 Fiscal Year Annual Research Report
Effect of exercise on muscle atrophy in diabetic rat
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24700525
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
間所 祥子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60595445)
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Project Period (FY) |
2013-02-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病ラット / 廃用性筋萎縮 / 運動効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運動困難となった糖尿病患者に対し、適切な負荷での運動療法確立のための基礎実験として、動物実験を行った。なお糖尿病ラットは日本人に多いとされる非肥満型の2型糖尿病モデルであるGoto-Kakizakiラット(以下GKラット)を用いた。 H25年度は、運動困難となった糖尿病患者を想定し、廃用性筋萎縮モデルを作成した。2週間の尾部懸垂法を用いて、GKラットとWistarラットの後肢に廃用性筋萎縮をおこさせ、typeⅠ線維が多いとされるヒラメ筋とtypeⅡ線維が多いとされる足底筋について組織学的に比較検討した。摘出した筋の切片に対しHE染色を用いて筋横断面積を測定したところ、ヒラメ筋についてはGKラット、Wistar系ラット伴に尾部懸垂によって、同程度の廃用性筋萎縮を示した。一方足底筋についても両ラット伴に廃用性筋萎縮を示したが、GKラットがより萎縮しやすい傾向がみられた。 H27年度は初年度同様に、尾部懸垂を行う際に、毎日1時間荷重を加えることで、筋萎縮の予防効果について検討した。この結果、Wistar系ラット、GKラットともに、懸垂のみの群に比較し、荷重を加えた群では、筋横断面積が大きくなり、糖尿病ラットであっても荷重によって筋萎縮が予防されることが示唆された。 H29年度は尾部懸垂による廃用性筋萎縮作成後、1週間、2週間と再荷重を行うことで、筋萎縮からの回復について検討した。1週間再荷重を行った群はヒラメ筋についてはWistarラット同様の回復を示したが、足底筋は萎縮しやすく、また、回復しにくい傾向が示唆された。 以上より、糖尿病ラットでは、廃用性筋萎縮を起こしやすいとされるヒラメ筋に加えてtypeⅡ線維が多いとされる足底筋でも萎縮しやすい傾向あり、かつ回復しにくいことが示唆され、糖尿病患者では、よりtypeⅡ線維を意識した運動が必要である可能性が考えられた。
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