2015 Fiscal Year Annual Research Report
瘢痕治療を促進させる超音波フォノフォレーシス法の確立
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24700530
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
前重 伯壮 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90617838)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 線維芽細胞 / 短鎖脂肪酸 / 線維化 / 瘢痕 / 超音波療法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
＜細胞培養の実施＞ケロイド由来、翼状片由来、およびヒト皮膚由来線維芽細胞を培養し、短鎖脂肪酸および超音波の効果を分析した。
＜酪酸の抗線維化作用の機序解析＞酪酸の抗線維化作用の機序、ならびに応用範囲の検討を行った。酪酸はケロイド線維芽細胞のapoptosisの抑制因子であるBcl-2およびIGF-1Rの発現を低下させapoptosisを促進することが確認された。酪酸の抗線維化作用が、皮膚由来線維芽細胞だけでなく、ケロイドおよび翼状片由来線維芽細胞においても認められることが明らかになった。
＜超音波による酪酸の生理作用促進の解析＞超音波による酪酸の生理作用促進を解析するために、ヒストンアセチル化を分析した。酪酸添加後3時間において、1 mMの低濃度酪酸の単独添加では有意なヒストンアセチル化作用が認められないものの、0.1 W/cm2の低強度超音波を併用することにより、ヒストンアセチル化作用が有意に促進された。この促進効果は、20％パルスモードおよび連続モードの両方で得られた。酪酸添加3時間後、リポポリサッカライド（LPS）を1時間添加し、IL-6のｍRNA発現を定量したところ、酪酸単独添加ではLPSによるIL-6 mRNA発現上昇を抑制できなかったが、超音波との併用療法により有意に抑制された。これらのすべての治療条件において、細胞障害性を解析したところ、どの条件においても細胞生存率が低下することはなかった。16 mMの高濃度酪酸における効果についても解析を進めたが、酪酸単独で強いヒストンアセチル化作用が確認され、超音波照射の追加的介入による促進効果は認められなかった。
＜成果報告＞低濃度酪酸における超音波の促進効果について、Experimental Biology 2015（Boston）で学会発表し、超音波医学に関する専門誌（国際誌）に論文投稿を行った。
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