2013 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症における機械的刺激の効果に関する生化学的解析
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24700531
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
熊岸 加苗 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (10597892)
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Keywords | 変形性膝関節症 / ヒアルロン酸 / 運動療法 |
Research Abstract |
変形性膝関節症(OA)の保存的治療には、ヒアルロン酸投与や運動療法が行われているが、併用時の効果および作用メカニズムに関する解析は十分ではない。そこで、エビデンスに基づくより良い治療法の確立を目指して研究を行っている。 整形外科の外来受診者を対象として、治療開始時と開始後1か月に、下肢筋力、Time up and Go Test、関節可動域、膝関節液中の炎症性サイトカイン(IL-6, IL-8)の測定を行った。その結果、高分子ヒアルロン酸投与に加えて一定の運動負荷を併用した治療法がOA初期患者(K-L stageI,II)において著効を示すことを発見した。そして、同併用療法の効果をOA患者の膝関節液中に含まれる炎症性サイトカインの変動に着目して検討した結果、ヒアルロン酸投与時に運動療法を行った併用療法患者の膝関節液中のIL-6, IL-8は治療開始時より減少し、主観的疼痛も減少傾向が見られた。IL-6, IL-8は炎症反応を惹起するサイトカインであり、マトリックス蛋白分解酵素の発現を誘導する。ヒアルロン酸と運動療法の併用療法によるIL-6, IL-8の減少は、同治療法が関節内の炎症を軽減し、関節軟骨マトリックス蛋白分解酵素の発現を減少させていることを示唆している。
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Research Products
(3 results)