2014 Fiscal Year Research-status Report
機能的MRIを用いた膝前十字靱帯損傷患者の大脳固有感覚ネットワーク再構築の研究
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24700535
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 和彦 広島大学, 大学病院, 理学療法士 (10423352)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膝前十字靱帯損傷 / 機能的MRI / 固有感覚 / 国際情報交換 シドニー |
Outline of Annual Research Achievements |
膝前十字靱帯(ACL)は、その靱帯内に固有受容感覚を有しており、損傷により感覚受容器からのフィードバックが減少し、固有感覚が低下すると考えられている。この固有感覚の低下は、身体パフォーマンスに影響を与えると考えられている。 今年度は、ACL損傷患者54名に対し、固有感覚と立位動的バランスの測定を行いその相関関係を調査した。結果として健側と比較し、患側の固有感覚の低下を認めたが、立位動的バランスは患健差を認めなかった。また、固有感覚と立位動的バランスの間に有意な相関関係を認めなかった。このことは、先行研究と照らし合わせるとACL損傷により固有感覚の低下を認めても、中枢性の代償が作用し、身体パフォーマンスの左右差を補正している現象の一つと捉える事ができる。 この成果は、2015年5月2-4日に開催されたWorld Confederation for Physical Therapy Congress 2015にて発表を行った。 パフォーマンス評価の一つとして、動作解析に方法について2015年2月シドニー大学を訪問し、ACL損傷患者の動作解析について研究協力を開始した。 今後、これらの成果と脳機能画像の検討を併せて行うことで、固有感覚ネットワークの変容・再構築がどの程度運動制御に影響するか明らかにすることが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ACL損傷患者の固有感覚とパフォーマンスの関係は明らかにすることができた。今後は、脳機能画像の評価と併せて行う必要があったが、施設利用の問題によりfMRIの撮影を当初予定していた施設で行う事が困難となった。そのため、新たな候補施設を選定していたが、最終的には、広島大学病院放射線部門での撮影が可能となり、予備実験段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度5月よりACL損傷者のfMRIの測定を開始する。併せてパフォーマンスの評価を行い、ACL損傷により固有感覚や身体パフォーマンス、脳機能にどのような影響を認めるのか特定する。
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Causes of Carryover |
脳機能画像の撮影施設の再考により、脳機能画像の撮影が困難であったため研究が遅延した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度は、脳機能画像解析に必要な専用ソフト購入を行う。さらに被験者に対する謝礼と研究協力者に対する謝金に使用する。必要な書籍やデータ保存に必要な雑費を請求する。また、協力施設との情報交換や当該研究領域への参加、得られた結果の発表を行うための旅費として使用する。また、論文の作成費としても使用する。
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Research Products
(1 results)