2013 Fiscal Year Annual Research Report
関節運動を制限した訓練で目指すべき歩行パタン指標の抽出と臨床応用に向けた調査研究
Project/Area Number |
24700544
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
白銀 暁 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (90404764)
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Keywords | 歩行訓練 / 短下肢装具 / 歩行パタン / 片麻痺 / 左右対称性 |
Research Abstract |
脳卒中片麻痺など、下肢機能に障害がある者に対するリハビリテーションにおいて、歩行は重要な訓練課題である。医師や理学療法士らは対象者に指示や介助などを行い、障害された歩行パタンを彼らが目指すものへと改善しようとするが、このときに目指すべき具体的な歩行パタンは明らかになっていない。一方、短下肢装具などを用いて関節の運動を制限して行う歩行訓練では、関節運動が制限されるので、健常者のいわゆる正常歩行と同じ歩行パタンは原理的に不可能となる。本研究は、このような場合に目指すべき歩行パタンの具体的な指標を明らかにし、抽出指標の臨床応用可能性を検証することを目的とした。 目指すべき歩行パタンは、障害が非常に軽度であり、かつ対象関節の機能以外に障害のない者、つまり健常者が装具を装着して歩いたときの歩行パタンが最も理想的であると考え、健常者の片側装具装着歩行を3次元動作解析装置で計測および分析した。歩行周期中の立脚時間と下肢関節の矢状面運動を抽出し、装具装着によって立脚時間の左右対称性がわずかに損なわれること、下肢関節運動は装具を装着した足関節の左右対称性が損なわれ、また、それ以外の関節運動は対称性が維持されることを明らかにした。このうち、立脚時間の左右対称性について、9軸モーションセンサを用いて計測・評価するシステムを試作し、実際に臨床で下肢機能に障害のある対象者での試用を行って理学療法士の意見を聴取した。 これらの結果、装具を装着して行う歩行訓練においては、ほぼ左右対称な歩行リズムが実現可能であり、股関節、膝関節の矢状面上運動についても健常者の正常歩行に近いパタンを期待できる可能性が示された。また、抽出指標の臨床応用に際しては、参照基準の必要性が指摘された。
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Research Products
(3 results)