2012 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児者の脊柱・胸郭変形の非侵襲的計測法および呼吸機能測定法の開発
Project/Area Number |
24700546
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
堀本 佳誉 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (40555546)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重症心身障害児者 / 胸郭 / 呼吸 / 変形 |
Research Abstract |
平成24年度は、「重症心身障害児者の胸郭変形を計測するためのCT画像を用いた測定法を修正・応用し、非侵襲的な測定法を開発」のために、①脊椎棘突起と胸骨剣状突起の間の距離と②角度、③胸郭の回旋、④脊柱の回旋の4指標を非侵襲的に測定する方法の検討を行った。 パイロット・スタディを行い、マルチン人体計測器の身長計を用いることにより①脊椎棘突起と胸骨剣状突起の間の距離と②角度を非侵襲的に計測することが可能であることを確認した。しかし、③胸郭の回旋、④脊柱の回旋に関しては非侵襲的な計測が困難であることが確認された。 また、平成25年度に実施する予定であった、「重症児者でも測定可能な呼吸機能の測定法を開発」のための文献調査を行った。超音波画像診断装置を用い、胸郭運動の要素の一つである横隔膜の動きを計測することにより、呼吸機能を推定できる可能性があることが分かった。 そこで、健常成人10名を対象として横隔膜の動きと換気量を計測し、その関係を検証した。また再テスト信頼性の検証のために、1日以上間隔を開けた上で2回目の計測を行うこととした。その結果、各被験者に全ての計測において横隔膜の動きと換気量の間には有意な相関関係が認められた。再テスト信頼性に関して、相対的信頼性には級内相関係数(ICC)を用いて、絶対信頼性にはBland-Altman分析を用いて分析を行った。結果として、相対的信頼性はICC値が0.04~0.61と低い結果となった。また絶対信頼性に関しては誤差範囲が広い結果となった。今回の研究の結果から横隔膜の動きから換気量を推測することは困難であることが示唆された。横隔膜の動きから換気量を推測するためには、計測の際のプローブをあてる位置や角度を厳密に設定する必要があると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に実施予定であった、「重症心身障害児者の胸郭変形を計測するためのCT画像を用いた測定法を修正・応用し、非侵襲的な測定法を開発」に関して、パイロット・スタディにより、方法が確立した。予定であった20歳以上の重症心身障害児者に対する研究は未実施に終わった。 しかし平成25年度に実施する予定であった、「重症心身障害児者でも測定可能な呼吸機能の測定法を開発」の研究が進行していることから、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に考案した、「重症心身障害児者の胸郭変形を計測するためのCT画像を用いた測定法を修正・応用し、非侵襲的な測定法を開発」に関して、①脊椎棘突起と胸骨剣状突起の間の距離と②角度の2指標を非侵襲的に測定する方法を20歳以上の重症心身障害児者に対して実施し、その信頼性と妥当性を検証する。 「重症心身障害児者でも測定可能な呼吸機能の測定法を開発」のために健常成人を被験者とし、一般的な呼吸機能検査の測定を行い、同時に胸郭の運動を歪みゲージを用いて測定する。得られた結果を呼吸機能検査で得られた結果と比較し、統計学的に妥当性を検証し、「呼吸機能を適切に示す胸郭運動の指標」を検索する。 また、「呼吸機能を適切に示す胸郭運動の指標」を重症心身障害児者で測定し、統計学手法を用いて呼吸機能を推測する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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