2012 Fiscal Year Research-status Report
筋に対する直線偏光近赤外線の高強度パルス照射とストレッチングの単独および複合効果
Project/Area Number |
24700556
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
竹内 伸行 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (20587076)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 直線偏光近赤外線 / ストレッチング / 筋伸張性 |
Research Abstract |
本研究課題では、高強度パルス照射型直線偏光近赤外線(high intencity linear polarized near-infrared ray;HI-LPNR)照射とストレッチングが筋伸張性に与える効果を、両者の単独施行および複合施行について研究するものである。本課題の計画では、研究全体を大きく研究1と研究2に分けて実施するが、平成24年度は主に研究2の計画を実施することができた。 麻痺側足関節底屈筋の筋緊張亢進を認める脳血管障害患者40人を無作為に、HI-LPNR群、ストレッチ群、併用群、対照群に割り付け、それぞれの介入を行った。介入前後に他動的足関節背屈角度(背屈角度)、他動的足関節背屈抵抗トルク(抵抗トルク)を測定し、統計解析した結果、HI-LPNR群、ストレッチ群、併用群の3群は、対照群に比して背屈角度が有意に拡大し、抵抗トルクが有意に減少した。一方、併用群とHI-LPNR群およびストレッチング群の間には統計学的優位差を認めなかった。 HI-LPNRは優れた温熱作用を有する光線療法であり、今回の作用機序としても温熱効果が示唆される。これまでの、温熱刺激と軟部組織伸張の併用に関する先行研究では、併用効果を認めるものと、併用効果がないとするものが混在している。本研究では、併用施行が単独施行に比して、より効果的であることを示す結果は認めなかった。しかし、HI-LPNR照射による抵抗トルク減少は、ストレッチに要する力を軽減できることを示している。これは筋伸張に伴う組織損傷リスクを軽減し、且つ伸張痛軽減効果も期待できる。これらはHI-LPNR照射とストレッチ併用による臨床的有用性が高いことを示しており、無視できない効果であると考える。平成25年度以降は研究1として計画した項目を実施し、より詳細な生理学的機序を明らかにしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題の実施計画は研究1と研究2に分けて考えている。これまでに研究2にあたる部分がおおむね終了し、関連学会においてその成果の一部を発表予定である。研究1と研究2の実施順序が、被験者および協力病院等の事情により、当初予定とは逆になったが、研究遂行上は問題なく、全体としては順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度以降は、これまでに得られた成果を関連する学会や学術誌に発表しながら、残りの研究計画を遂行する予定である。主に健常者を対象に、組織血流量、組織温、関節抵抗トルク、最大関節可動域などの変化を指標にして、HI-LPNR照射が筋に与える生理学的効果を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な測定機器類は平成24年度に購入しているため、次年度は研究に必要な消耗品類の購入や、研究実施場所までの交通費、被験者謝礼、学会や学術誌での成果発表に必要な交通費、学会参加費、論文投稿料、また文献請求料などに研究費を支出予定である。
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