2012 Fiscal Year Research-status Report
半側空間失認はメンタルプラクティスの適応となりうるか?
Project/Area Number |
24700558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
門馬 博 杏林大学, 保健学部, 助教 (60583680)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 運動イメージ / 運動イメージ能力 / メンタルクロノメトリー / メンタルローテーション / メンタルプラクティス |
Research Abstract |
近年,脳卒中患者に対するメンタルプラクティス(MP)導入に際し,運動イメージ能力評価の重要性が指摘されている.しかし,運動イメージ能力評価法のゴールドスタンダードは未だ確立されていない.そこで今回,同一被検者に運動イメージ能力の評価法として開発された質問紙法,メンタルクロノメトリー(MC),メンタルローテーション課題(MR)を行い,各評価法間の相互関係性について検討した. 対象は,健常者35名である.質問紙法は,主に健常者を対象として開発されたVMIQ-2を用いた.MCは,改変版Box and Block Test,imagined Timed Up and Go Test(iTUG)を行い,イメージ試行と運動試行の時間差(絶対値)を指標とした.MRは,Williams(2012)を参考に行い,その反応時間(MR-RT)を指標とした.各計測値に関してSpeamanの順位相関係数を求め,相関分析を行った.また,MPでは筋感覚イメージの想起が重要であることから,従属変数をVMIQ-2のKinesthetic Imagery Score (VMIQ2-KI),独立変数を各評価の計測値としてステップワイズ重回帰分析を行った. 相関分析においてVMIQ2-KIとiTUG(r=0.53, p<0.01),VMIQ2-KIとMR-RT(r=0.48, p<0.05)で有意な相関を認めた.また,ステップワイズ重回帰分析では,VMIQ2-KIに関連する要因として,iTUG,MR-RT,およびVMIQ-2のInternal visual imagery scoreが抽出された(R2=0.52). 以上よりiTUGとMR-RTは,運動イメージの中でも筋感覚イメージの評価として有用である可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は健常者を対象とした行動学的実験を中心に行った.被験者35名を対象として検討した結果を,第4回日本ニューロリハビリテーション学会学術集会にて報告した. また,経頭蓋磁気刺激装置を用いた神経生理学的手法を用いた運動イメージ能力評価法に関する検討も開始し,被験者10名まで実験を終了している.途中経過について来年度開催される第48回日本理学療法学術大会へ演題登録を行い,採択されている.2面目は神経生理学的検討の進展と,脳卒中片麻痺患者を対象とした行動学的検討を開始する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,健常者を対象とした実験結果についての論文執筆中であり,次年度は学術雑誌への投稿を行う予定である.また,第48回日本理学療法学術大会にて研究成果を発表する予定となっている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文投稿に関する英文校正費用,および学術雑誌への投稿費用として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)