2013 Fiscal Year Annual Research Report
仮設住宅団地における孤独化防止のための「お茶の間テレビ」の開発
Project/Area Number |
24700592
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
伊藤 史人 一橋大学, 情報基盤センター, 助教 (10583669)
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Keywords | コミュニケーション支援 / 仮設住宅 / 障害者 / 高齢者 / 音声チャット |
Research Abstract |
東日本大震災から3年が経ち,仮設住宅群の姿は変わらない一方で,住人の生活環境は徐々に変化している。急速なスマートフォンの普及で,被災者のコミュニケーション環境も変化している。高齢者や身体障害者の間でもソーシャルメディアを利用する人々が現れはじめた。ソーシャルメディアの影響は大きく,本研究の最大の課題であった孤独感の解消に大きく役立っている。 本研究では,音声チャットとテレビ番組を融合したメディアを用意することで,被災者の孤独感の解消を試みた。音声チャットはインターネット上にテレビ番組毎に用意しており,テレビのチャンネルボタンと連動してチャットルームに入室する仕組みである。複数人がチャットルーム内にいる場合は,双方向で音声情報を共有する。つまり、感嘆やつぶやき,場合によっては環境音までもをリアルタイムに共有するものである。 しかしながら,被災者にとっては音声チャット自体に少なからず違和感があったようで,孤独感の解消にまで至らなかったのが現状である。また,個人宅への設置が必須であり,間取りの限られた空間への設置のお願いはたいへん困難であった。機器のメンテナンスが頻繁に必要になり,遠隔操作ソフトウェアによって解決を試みたが物理的な障害が多く発生したため,問題の解決には至らなかった。 一方で,いわゆる情報弱者と多く接することとなり,事故・病気等による身体障害者のコミュニケーション環境の改善する機会を作ることができた。身体障害の多くは,外出が困難であるばかりでなく対外的なコミュニケーション自体にも大きな困難を抱えている。特に,東北の被災地となれば,多くの場所はもともと過疎地であり,インターネット等を使ったコミュニケーションが有効である。ただし,身体障害により機器操作が十分に行えないなどの問題を抱えているため,機器やソフトウェアの工夫によりコミュニケーション支援を実施した。
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Research Products
(1 results)