2013 Fiscal Year Annual Research Report
緊張性振動反射と空気圧人工筋による拮抗運動を利用した上肢運動訓練装置の開発
Project/Area Number |
24700605
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
柴田 芳幸 東京都立産業技術高等専門学校, その他部局等, 助教 (50614319)
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Keywords | 緊張性振動反射 / ニューロリハビリテーション |
Research Abstract |
従来の筋力トレーニングは、筋に負荷を与えるためにダンベルなどの重りを用いて重力に抗う方向へ身体の鍛えたい部位を動かすことが一般的である。本研究は、振動刺激による緊張性振動反射(TVR:Tonic Vibration Reflex)と外力による関節の駆動を併用することにより神経・筋力増強訓練が行えるのではないかと考えた。TVRはヒトの骨格筋であれば誘発されるといわれており、脊髄を経由するため反射の一種である。この反射による筋収縮と、空気圧人工筋などの動力を用いた外力による強制的な関節駆動を行うことで、任意の筋の遠心性収縮と求心性収縮を選択的に行うことができれば、新しいニューロリハビリテーションの手法開発の一助になるのではないかと考えた。本研究では、昨年度に引き続き今年度も基礎技術の構築のための実験系の開発を行った。被検者は健常成人男性で、振動刺激を与える筋は上腕二頭筋および上腕三頭筋とした。昨年度の実験では、上肢のリーチング動作中に上腕三頭筋に振動刺激を与え、TVR誘発によりリーチング動作が阻害され、軌道が変わることを確認した。本年度は、実際に振動刺激を与えたときにTVRが誘発され筋電図を取得できるかどうか実験を行った。その結果、座位で脱力した安静の状態において、振動刺激を上腕二頭筋に入力しても筋電図は取得できず、肘関節の駆動もみられなかった。また、上肢をスリングにつるし、重力の影響を無視した状態で振動刺激を与えた結果、微弱ながら筋電図が取得できた。しかしながら、肘関節の屈曲および伸展動作を観測することはできなかった。姿勢に自由度があるとTVRの誘発と関節の駆動は難しく、さらにTVRを誘発できたとしても関節を駆動させるほどの力を発揮させるまでには至らないことがわかった。
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