2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700609
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 淳子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30570808)
|
Keywords | 前頭前野 / 扁桃体 / 情動 |
Research Abstract |
これまでの研究で、幼少期にストレスを受けると、成熟後にストレスに対して脆弱になることが明らかとなった。今年度は、ストレス制御に関わる前頭前野と扁桃体の機能を検証した。新奇環境ストレスを与えた後の前頭前野、扁桃体におけるc-Fos発現を比較したところ、幼少期ストレスである早期離乳を施されたSprague-Dawley ラットでは、正常離乳ラットに比べて、扁桃体基底外側核の発現が増加し、内側前頭前野での発現が低下していた。一方、早期離乳直後から回転式ランニングホイールによる自発運動を行ったラットでは、このような現象は起きなかった。また、内側前頭前野と扁桃体基底外側核間の相互神経連絡は、情動制御に関わっていることが示唆されていることから、両領域間の神経投射様式を検証した。内側前頭前野の電気刺激による扁桃体基底外側核の逆行性応答と興奮性応答(順行性応答)、扁桃体基底外側核の電気刺激による内側前頭前野の逆行性応答の潜時と刺激閾値には3群間に差は検出されなかった。しかし、早期離乳ラットでは、扁桃体基底外側核の電気刺激による内側前頭前野ニューロンの興奮性応答の潜時が延長していた。このことから、早期離乳により誘発される扁桃体基底外側核から内側前頭前野ニューロンへの伝達機能異常は、運動をすることにより阻止されることが明らかとなった。本研究では幼少期ストレスによるストレス対処機能低下が幼少期に運動をすることで阻止されることが明らかとなり、また、そのメカニズムにおける内側前頭前野-扁桃体基底外側核間神経回路の機能関与が示唆された。
|
Research Products
(2 results)