2015 Fiscal Year Annual Research Report
誤差情報の認知および修正運動の意図が随意運動学習に及ぼす影響
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24700613
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
角 友起 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 助教 (50551363)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サッケード / 運動学習 / 誤差 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度では平成26年度の引き続き、明確な視覚情報による誤差の提示はないが運動を修正することは要求されるサッケード運動課題を用いて、サッケード適応が成立するかどうかを調べた。ディスプレイに示される上下2つの小さな点の中点に向かってサッケード運動を実施し、サッケード運動中に2つの小点が運動と同方向あるいはその逆方向に瞬間的に移動する改変サッケード適応課題により上記の内容を検証した。実験被験者はサッケード運動終了後に(小点が瞬間的に移動しているため)自身が行ったサッケードが2つの小点の中点をとらえていないことに気付くので、その直後に(移動した)2点の中点に向かって改めて修正サッケード運動を行うことが要求された。このパラダイムを繰り返した結果、初発のサッケード運動の振幅が徐々に変化し、サッケード運動の終着点は運動中に瞬間的に移動した後の2点の中点の位置に近づいていった。サッケード運動の目標点は2つの小点の中点のため、視覚的に目標位置が明示されているわけではなく、修正サッケード運動を実施する場合においても、明確な視覚による誤差は提示されていない。にもかかわらずサッケード運動の振幅変化すなわちサッケード適応が引き起こされた。これは視覚による明確な誤差の提示がなくとも、(仮想的な)誤差を修正する運動の指令信号が発せられれば、最終的にサッケード学習信号が生み出され、脳可塑性が惹起されることを示唆している。
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Research Products
(2 results)