2014 Fiscal Year Annual Research Report
原発事故を受けた子どもの日常回帰を支援する“表現あそびプログラム”の開発
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24700627
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
弓削田 綾乃 早稲田大学, グローバルエデュケーションセンター, 助教 (90432038)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 子どもの表現あそび / 親子の触れ合いあそび |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、東日本大震災の影響を受け、屋内外での身体運動に対して不安を感じる子どもと保護者らを対象として、心身に効果的な“身体表現あそび”の実践と検証を通して、プログラム開発を目指したものである。26年度は、24年度から引き続き実施した25年度のワークショップについて検証するとともに、プログラムを提案するための資料を作成した。 まず、ワークショップの協力者とともに、様々な表現活動の事例を検討し、乳幼児期の心身の発達に即したプログラムを検討した。また、プログラムの精査を目的として、千葉県内で親子表現あそびを実施し、保護者への聞き取り調査をおこなった。さらに、東北地域での身体表現ワークショップに参加し、被災地での活動事例として参考とした。そしてこれらの結果にもとづき、プログラムを構築し、報告書「みんなでたのしもう からだをつかって 表現あそび」にまとめた(全19ページ)。以下が、プログラムの骨子である。 1.テーマ、物、音楽等に季節感、日常性、非日常性などを混在させ、個々のイメージを深める。2.活動の最初と最後に、子どもと保護者とが一対一で関わり合う表現をとり入れる。3.狭い空間、特に家庭でできる表現あそびへと発展させる可能性を示す。 4.表現あそびに対して、理論的説明を付す。 これらの提案によって、「子どもとのあそび方がわからない」「どうしたら思い切り身体を動かして一緒に楽しめるのか」といった思いを抱える保護者らが、「身近な題材で身体を動かすあそび方」「「親子で楽しめるあそび方」に気づく例がみられた。そして、こうした表現あそびを通して、子どもに対する保護者の気づきが促されることも明らかになった。
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