2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700629
|
Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
平川 武仁 南山大学, 人文学部, 准教授 (50404942)
|
Keywords | 運動制御 / 切り替えダイナミクス / 蹴動作 |
Research Abstract |
本研究は,時空間的に制約された環境の中での人間の運動制御において,2種の運動パターンを反復して切り替える中に自己相似構造があること,しかもその構造は時間との規則性(関数関係)を包含していることを明らかにすることを目的としていた.環境の制約においては,時間は入力時間間隔で,空間は左右方向にターゲットを配置することとした. 今年度の研究課題は,昨年度に作成したボール投射マシンを使い,左右に配置されたターゲットに向かって,一定の時間間隔で投射されるボールを蹴り分ける蹴動作の実験測定を実施することであった.測定参加者は,左右のいずれかの光ったターゲットに,投射されてきたボールを蹴り入れるように教示されていた.ターゲットが光る順序は,8つの系列(右右右,左右右,左左左,右左左,右左右,左左右,左右左,右右左)を含んで乱順化されていた.ボールが投射される(入力の)時間間隔は,5種(15,24,30,32,34球/分)であった.各入力時間間隔において,120回(=(32球ー2球)×4試行)蹴るという連続運動であった.解析する身体部位は,横断面における肩と腰の2つの角度変位であり,ボールが投射された時点での散布図(横軸が腰,縦軸が肩)が相関次元解析された. 結果は以下のとおりである.ターゲットが光る系列は疑似乱順化された系列であったが,肩と腰との運動の関係は乱順にならず,その系列が残っていた.また,入力時間間隔と相関次元に規則性(逆数)の関係が認められた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗状況として,申請書に記載した研究の目的に沿って,概ね順調に進行させることができている.具体的には,平成24年度に実験装置制作および実験設定の構築,平成25年度に蹴動作の実験測定および解析をすることができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,申請書に記載した研究の目的に沿って,前年度に実施した1つの運動動作である蹴動作を,2つの運動動作を組み合わせた捕投動作に発展させ,実験測定と得られたデータの解析をする.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の実験測定を継続するために必要機器を購入すること,次年度に発表予定の学会が遠方で開催されることが決定し,予定より旅費が高くなることがわかったため,本年度の使用計画を変更し,繰り越す必要が生じた. 実験測定に必要な機器を購入すること,および本研究課題を発表できると判断される学会大会への発表参加費およびその出張費で執行する計画である.
|