2012 Fiscal Year Research-status Report
リアルタイム運動情報フィードバックによる運動指導法
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24700632
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
塩澤 成弘 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (30411250)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 運動指導 / 生体計測 / ウェアラブルコンピュータ |
Research Abstract |
【研究の目的】本研究は携帯型加速度モニタ装置によって得られた運動情報を音情報に変換し、リアルタイムに対象にフィードバックすることで走動作の改善に寄与する装置の開発研究、およびそのフィードバック方法毎の効果検証を行い、本提案手法の確立を目指すものである。本研究の最終目標は上級者の走動作中の体重心加速度を音声に変換したものを被験者に聴いてもらい、その音と同じ音が鳴るように被験者に練習を繰り返すことで、走動作の改善を目指すものである。 【研究実施計画】音声への変換方法は様々なものが考えられるため、初年度(H24 年度)にはトレドミル上の走行に対して様々な変換方法でフィードバック実験を行い、効果のある加速度-音声変換方法を検討した。 【研究成果】H24年度は、当初計画の通り、まず加速度を音声に変換するソフトウェアの開発を行った。加速度を音声に変換する方法としては、3軸加速度センサで計測した3軸の加速度情報を統合し、加速度の大きさを表す合成加速度に変換し、その加速度の大きさを音の周波数に変換する方法を採用した。加速度センサの設置位置は体重心位置とみなせる腰背部とし、トレッドミル上走行の加速度データを取得した。このソフトウェアを用いて教師用のデータとなるトレッドミル走行時の加速度データを音声に変換した。さらに被験者5名へのフィードバック実験を行った。被験者には、教師用の音声データを聞かせた後、教師用音声と同じ音声になるように走行してもらった。結果として、平均値の変化が小さかったため統計的有意差は認められなかったものの、ピッチの変化を始めとして種々の変化が認められた。以上のように、H24年度は当初の目的通り、加速度/音声変換方法を確立することができ、次年度(H25年度)の携帯型装置の開発やフィールド実験に向けた準備が十分に整ったと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(H24年度)の主な研究目的は、次年度(H25年度)の携帯型装置の開発のための加速度/音声変換方法の確立である。それに対して初年度(H24年度)は加速度/音声変換ソフトウェアを開発し、その動作の検証や本ソフトウェアを用いた検証実験も行ったため、概ね順調に研究を進めている。また、次年度に向けた課題として予備実験で教師用の音声を聞かせる時間が短いと被指導者にとって指示が分かり難いといった主観的な意見もみられた。しかし、次年度には携帯型の指導装置も開発するため評価実験前に長時間教師用の音声を聞かせること、さらに自身の様々な体動と音声の関係を理解することができるため、これらの課題は克服できると考えている。 以上のように概ね予定通りの進捗状況であり、次年度に向けた課題も明らかにできているため、「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度であり、提案手法の最終的検証実験を予定している。具体的には「携帯型指導装置の開発」、「走動作時の教師用体重心加速度データの取得」、「フィールド上での加速度/音声変換による走動作フィードバック実験」を予定している。まず「携帯型指導装置の開発」では、H24年度に行った実験を実際のフィールドで行うことのできる携帯型運動情報フィードバック装置の開発を行う。本項目に関しては類似装置の開発実績が十分にあるため、問題は考えられない。「走動作時の教師用体重心加速度データの取得」では、被験者の目標にする走行中の体重心加速度データを取得する。「フィールド上での加速度/音声変換による走動作フィードバック実験」では、大学生、大学院生の中から被験者を選定しフィードバック実験を行う。被験者数は前年度比較的変化が小さく5名では統計的な有意差を証明できなかったため10名程度を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に申請した通りで変更はない。次年度(H25年度)は主にフィールドにおける実際の走行動作の計測、およびフィードバック実験を行う。 本実験では、フィールドでは携帯型のデバイスがなければ計測やフィードバック実験ができないため、携帯型デバイスの開発費用としてその材料である電子部品を物品費(500千円)として計上している。その他、学会発表(国 内、国際)を予定しているため、それに掛かる旅費(300千円)、データ整理などの人件費(80千円)、資料印刷費(20千円)も計上している。
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Research Products
(2 results)