2013 Fiscal Year Research-status Report
体育授業の構想と実践を担う教師の力量形成を目指した教師教育の改善に関する研究
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24700635
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
嘉数 健悟 沖縄大学, 人文学部, 講師 (50612793)
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Keywords | 教師志望学生 / 授業観 / 初任保健体育教師 |
Research Abstract |
今年度は,教師志望学生を対象として,教科の指導法に関する科目の授業前後における知識や授業観に与える影響について調査した。その結果,①授業の前後において体育教師志望学生が保持する体育授業観は,「体育授業の目標」,「体育授業の雰囲気」,「体育授業の実践」に関する3つに大別された,②授業前後では体育教師志望学生の保持する体育授業観のカテゴリーに変容はみられなかった.とりわけ,この授業では教師志望学生が初めて体育授業の計画や実践,反省などを経験するため,「体育授業の目標」に関する変容があると推測していた.しかしながら,大学生を相手とする模擬授業では「情意・態度面」や「技能面」などに関する指導に意識が向かないことで,カテゴリーに変容がなかったと推察できた,③「体育授業の目標」の下位カテゴリーである「技能面を形成する授業」や「ミスを恐れない雰囲気のある授業」,「ほめることのできる授業」などは,授業後に多くの記述が分類された.その背景には,指導案の作成や模擬授業といった実践色の強い授業内容があること,授業を担当した教師教育者の影響があることが示唆された.また,授業を通して体育教師志望学生が模擬授業における系統性を踏まえた技術指導や学習指導案の作成,講義における実践的なビデオ視聴を通して,単に技能を指導しようとするのではなく,様々な指導方略を用いて楽しく技能を身につけさせたいと考えるようになったと思われる.④体育教師志望学生が示す体育授業観には,他教科と共通するような授業観と教科特有の授業観があることが示唆される,などの4点が明らかとなった。 また,初任保健体育教師に対するインタービューの実施と質問紙調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究の進捗は,総合するとおおむね順調である。特に,教師志望学生の調査に関しては,予想以上に進展しているといえる。また,現職教師の調査については,順調にデータの収集が行えており,次年度以降にその成果をする予定である。しかし,諸外国の調査が先方とのスケジュールや時期等により,当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,研究の最終的にまとめることが中心的な作業になると思われる。また,諸外国の調査が十分ではないため,早めに現地調査を行い,研究の総括を行えるようにしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外出張旅費を残していたが,先方とのスケジュールが合わず,断念した。そのため,その分を物品費等に当てて使用し,残りは次年度に繰り越した。 前年度に生じた未使用額は,海外調査を複数回実施するための旅費として使用したいと考えている。
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Research Products
(7 results)