2014 Fiscal Year Annual Research Report
体育授業の構想と実践を担う教師の力量形成を目指した教師教育の改善に関する研究
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24700635
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
嘉数 健悟 沖縄大学, 人文学部, 准教授 (50612793)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 体育授業観 / 初任教師 / シンガポール |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度にあたる平成26年度は,これまでの調査結果をもとに体育教育を担う教師の授業観などの様態やその変容について総括的な考察を行い,教師の体育教育に関する専門的力量の向上により一層寄与するものへと改善していくための示唆を得ることを目的とした。 まず,これまでの研究では,教師志望学生の授業観の様態として,教師志望学生を対象として体育授業観や保健授業観の様態やその構造が「教科の指導法に関する科目」や「教育実習」を通してどのように変容するのか,あるいは学年間で保持する様態に差があるのかに焦点を当てて検討し,教員養成段階における授業観が学年間によって差異があること,そして教育実習の経験によってその具体性に違いがあることなどを明らかにしてきた。 これらの結果から,教師志望学生の体育授業観は,「体育授業の目標」,「体育授業の雰囲気」,「体育授業の実践」に関する内容の様態であることが明らかとなった。また,初任期の保健体育教師は,養成段階に保持していた授業観が変化し,他の授業観を保持するようになること,初任研やその他の研修を通して,同僚や同期からの影響を受けることで授業観が変容する傾向にあることが明らかとなった。さらに,若手の保健体育教師は,授業の実践に関する悩みを抱えてながらも,生徒指導や部活動指導などそれ以外の役割を求められており,授業の充実や改善に向けて十分に取り組めていない傾向にあることも明らかにした。 次に,諸外国の事例としてシンガポールの体育教員養成のカリキュラムについてもインタービュー調査を実施した。その結果,シンガポールでは,各授業担当の教員が「Value」「Skill」「Knowledge」のどの要素と授業が関連するのかという視点から授業を組み立てていること,現職研修として多数の研修プログラムがあることなどが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)