2013 Fiscal Year Annual Research Report
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24700637
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Research Institution | Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare |
Principal Investigator |
泉水 宏臣 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員 (30450753)
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Keywords | 運動 / メンタルヘルス / 精神疾患 / 前部島皮質 / fMRI |
Research Abstract |
近年、メンタルヘルスの悪化が問題になっており、そのための対策が必要とされている。運動はメンタルヘルスを改善することが、多くの研究により示されており、対策の一つとして活用できると思われる。しかしながら、運動がメンタルヘルスを改善するメカニズムが解明されていないためか、運動をメンタルヘルス改善の方策として用いることは一般的に少ない。本研究では、運動によるメンタルヘルス改善のメカニズムとして、前部島皮質の機能に注目した。前部島皮質は、身体からの感覚情報を総合的に評価し、感情を生成する部位と考えられており、メンタルヘルスと密接な関係があると思われる。平成24年度には、研究1として、前部島皮質の機能を測定するため、感情を表現した身体動作の動画を作成した。平成25年度は、研究1の続きとして、作成した動画を提示した際の脳活動を、fMRIを用いて測定した。その結果、快感情に対して、左の前部島皮質が、不快感情に対して、右の前部島皮質の賦活がみられた。研究2では、運動実施時と非実施時において、感情を表現した身体動作を提示した際の脳活動を測定し、比較した。その結果、眼窩野において快感情に対する賦活が運動実施時によって高まったが、前部島皮質の賦活に差は検出されなかった。研究1、2を通して得られた研究成果の意義として、前部島皮質機能を測定するための方法を開発した点は、今後、精神疾患患者等の脳活動を測定するなど、さらなる発展が期待できる。今後は、運動の効果の有無をよりはっきりと確認できるよう、被験者数を増やすなど、さらに研究を進める予定である。
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