2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700645
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
班目 春彦 東京大学, 総合文化研究科, 助教 (40555653)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 筋肥大 / 抵抗負荷運動 / レジスタンストレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,25年度に実施したトレーニング実験の結果の分析及び追加実験による補足的データの取得を行った.25年度に実施したトレーニング実験の目的は,運動後の代謝物の蓄積がレジスタンストレーニングのトレーニング効果を増強するか否かを明らかにすることであった.運動は片側性の膝伸展運動を採用し,被験者内実験計画を用いて,片側を「運動+運動後血流制限脚」,反対側を「運動脚」とした.成人男性8名を被験者とし,週2回の運動を8週間継続した.運動の負荷強度は事前に測定した最大筋力の70%とした.8週間のトレーニング期間の前後及び8週間の脱トレーニング後の計3回,膝伸展筋群の筋厚,最大筋力及び筋持久力を測定した.
実験の結果,筋厚,筋力,筋持久力のいずれの項目についてもトレーニングによる有意な増加が生じた.しかし,運動後血流制限の有無による差は認められなかった.この結果から,代謝物の蓄積とトレーニング効果の関係について,以下の可能性が考えられる.(1)代謝物の蓄積とトレーニング効果の間には因果関係はない.(2)代謝物の蓄積それ自体ではなく,代謝物が蓄積した状態で筋収縮を継続することが増強効果を生じる.ただし,本研究では最大筋力の70%という比較的高い負荷強度を用いたため,運動後血流制限による増強効果が見られなかった可能性も考えられる.したがって,本研究の結果から,低負荷強度のトレーニングにおいて代謝物の蓄積がトレーニング効果を増強する可能性を否定することはできない.
研究成果の公表については,学会発表を1件行ったが,投稿論文は受理されず,論文掲載には至らなかった.現在,再投稿に向けて論文の改訂を行っている.
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