2013 Fiscal Year Annual Research Report
漸増負荷運動中の血糖値とホルモンの動態の関係性-競技パフォーマンスに着目して-
Project/Area Number |
24700656
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
中村 和照 茨城キリスト教大学, 生活科学部, 講師 (10613292)
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Keywords | 漸増負荷運動 / 運動強度と血糖値の動態 / トレーニング状態 |
Research Abstract |
本研究は,1) 漸増負荷走中の血糖値とカテコラミンの動態の関係性について,2) トレーニング量の違いが漸増負荷走中の血糖値とカテコラミンの動態に与える影響について,3) 漸増負走中の血糖値の動態とフルマラソンのパフォーマンスとの関係性について,明らかにすることを目的とした. 1) 持久的トレーニング者12名を対象に,漸増負荷走を行なわせ,血糖値および血中乳酸値とホルモンの動態の平均相関について算出した結果,血中乳酸値は,アドレナリン(r = 0.96),ノルアドレナリン(r = 0.99)と非常に高い関係性が認められた.血糖値は,アドレナリン(r = 0.80),ノルアドレナリン(r = 0.83)ともに高い関係性が認められるが,血中乳酸値に比べると関係性は低くなった. 2) 男性長距離群8名と男性対照群8名に1) と同様の漸増負荷走を行なわせた結果,血中乳酸値とアドレナリン,ノルアドレナリンは長距離群(r = 0.95,0.99),対照群(r = 0.94,0.94)ともに非常に高い関係性が認められた.一方,血糖値は長距離群(r = 0.80,0.82)では高い関係性が認められるが,対照群(r = 0.32,0.26)では低い関係性となった. 3) 市民ランナー6名を対象とし,レース前に5 km走,漸増負荷走を疲労困憊に至るまで行なわせ,漸増負荷走時の血糖値の動態とレースパフォーマンスとの関係性を検討した.フルマラソンの走速度と血糖値の動態には有意な相関関係は認められなかったが,5 km走に対するフルマラソンの相対速度と漸増負荷走中の血糖値の上昇量との間には有意な相関関係(r = 0.85)が認められた.血中乳酸値の動態,VO2peak,走の経済性との間にはこのような関係性は認められなかった. これらのことから,カテコラミンに対する血糖値の動態は,血中乳酸値の動態とは異なりトレーニング状態によって変化するといえ,血中乳酸値とは異なる持久性運動能力の指標になると推察された.
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Research Products
(2 results)