2013 Fiscal Year Research-status Report
オープンウォーター環境下におけるストローク頻度の簡易的測定手法の開発
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24700663
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
富川 理充 専修大学, 商学部, 准教授 (50614492)
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Keywords | オープンウォーター / トライアスロン / ストローク / 動作分析 / モーションセンサ |
Research Abstract |
昨年からの課題であった、プール環境下におけるモーションセンサの精度確認について実施した。 従来の映像情報から得られたデータとモーションセンサによって得られたデータの比較検討を行い、本研究で用いた身体運動計測用に開発された完全防水の小型モーションセンサで測定されたローリング動作の時間周期(Rolling period)は、従来のビデオ映像より測定されるストローク時間(Stroke time)と同等の変数として扱うことの妥当性を証明することができた。これにより,上記のモーションセンサを,ストロークパラメータ測定のために応用可能であることが確認できた。ただし,極端にストロークのタイミングが変化した場合に誤差が大きくなる可能性もあり,引き続き,呼吸動作やヘッドアップ動作がどの程度影響を及ぼすのか検証することが課題として挙げられた。 これらの結果は、第3回JTUトライアスロン研究会において「トライアスロンレース中のストローク頻度分析」の題目で発表し、原著論文として専修大学スポーツ研究所紀要に「ビデオ映像およびモーションセンサを用いたクロール泳のストローク動作分析の比較」(富川ほか、2013)に投稿し、掲載されることができた。 本年度からトライアスロンのエリートレースにおけるモーションセンサを用いた測定を開始した。詳細な分析はこれからとなるが、同一のモーションセンサを用いても、あるレースではデータが記録されていたが、あるレースではデータが記録されていないケースがあった。センサの開発企業と確認を取りながら実施しているが、センサを用いた測定方法の検討を行う予定である。そして、さらにより多くのデータの蓄積と、分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に課題として挙げていた、プール環境下におけるモーションセンサの精度確認を実施できたことが大きい。今後、実際のレースにおいて測定に用いることの妥当性を示すことができた。ただし例数が少ないので、今年度はさらに例数を増やしてきたい。 実際のトライアスロンのレースにおいて、モーションセンサを用いたストローク頻度の測定も開始した。レースを通してデータが記録され、ストローク情報の抽出が可能なことが確認できた。これまでは、オープンウォーター環境下における泳動作の分析やストロークパラメータの測定は非常に困難であり研究も進んでいない分野であった。本研究によるモーションセンサの妥当性の証明とともに、今後のこの分野における研究の促進に大きく寄与する結果を示すことができたことは、大きな成果だろう。 課題としては、レース中のモーションセンサを用いた測定において、全くデータが記録されていなかったり途中でデータが途切れていたりする場合もあり、その原因の究明が必要となったことである。モーションセンサの開発企業と確認しながら測定を進めているが、この課題をクリアできれば本研究の目的を達成することが可能と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
モーションセンサから得られたストローク情報の妥当性は確認できたが、詳細な確認が必要な場合も見られた。データサンプル数を増やしてさらに確認してきたい。 実際のトライアスロンのレース中にモーションセンサを用いた測定を開始した。1レースにつき2~3名ほどの規模でしか測定ができていないので、可能であればそれを10名程度にまで増やして測定を行いたい(横断的データの蓄積)。さらに、今年度からすでに測定の対象となっている選手に関しては本年度も測定を継続して行い(縦断的なデータの蓄積)、選手の特徴を抽出していく予定である。 トライアスロンのレースに限らず、オープンウォータースイミングやライフセーバーなどにもモーションセンサを装着してもらい、各々の特徴を抽出することも視野に入れた研究も計画中である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度まではデータ収集が主な作業となり、人件費に充てていた予算がさほど掛からなかった。今後は、これまでに得られているデータや、引き続き継続して測定されていくデータの詳細な分析に研究補助を動員し効率的に進めるために必要となった。 また、一つのレースでより多くの選手よりデータサンプルを得るために、モーションセンサの数量を増やさなくてはならなくなたったために、必要となった。 これまでのデータに加え、これから収集するデータの分析を進めるのに必要な研究協力者の人件費として活用する。また、モーションセンサを1ないし2台追加購入する。
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