2014 Fiscal Year Research-status Report
現場で生じたスポーツ動作に対する新たな試み:ビデオ映像を用いた他覚的運動解析
Project/Area Number |
24700671
|
Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
笹木 正悟 東京有明医療大学, 保健医療学部, 講師 (30563473)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ビデオ分析 / サッカー / スポーツ現場 / パフォーマンス / 傷害予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,1年目(平成24年度)に収集した男子サッカーのデータと2年目(平成25年度)に収集した女子サッカーのデータを組み合わせて,サッカー選手が総じて試合の中でどのようなパフォーマンスを発揮していたのか分析を行った.実際の試合で生じた男女サッカー選手の「対敵局面(マッチアップ場面)」から,下肢キネマティクスと身体重心がどのように関係しているのか,特に守備選手のパフォーマンス向上に繋げる観点から検討した.その結果,鉛直方向の重心変位は接地時の重心高(r=0.832, p=0.040),股関節の角度変位(r=0.870, p=0.024),膝関節の角度変位(r=0.829, p=0.041)と強い相関があると示された.このことは,日本サッカーの課題とされている「1対1のマッチアップ」でスムーズな重心移動をどのようにして可能にするのか,科学的かつ実践的観点から指導ポイントを提示することができた. また,上記の研究結果を踏まえて,サッカーの試合における女子選手の下肢および体幹部の運動形態に着目した.平成26年度には,対敵局面以外の動作として「ヘディングの着地動作」,「守備のプレッシング動作」を取り上げてビデオ分析を行ってきた.これらの動作は,試合におけるパフォーマンスの優劣に関係するだけでなく,サッカー特有の傷害発生場面としても考えられる.これらの研究成果の一部は,国内外の学会で発表され,学術論文として投稿された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サッカー競技の試合で生じたリアリティの高い動作を,男子選手および女子選手を対象に三次元的手法を用いて詳細に分析することができた.また,運動の性差だけでなく,男女サッカー選手の動きの特徴を一般的に示すことができた.このことは,性別を問わず広くサッカーの現場において指導のポイントを示すことができたと考えられる.さらに,女子選手については「パフォーマンス向上」に加えて「傷害予防」の観点からも研究を推進することができ,順調に研究を進められていると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度から女子選手を対象に新たに取り組んでいる動作(ヘディングの着地動作,守備のプレッシング動作)については,二次元的手法を用いたビデオ分析から検討を行っている.今後は,より詳細な動作解明を行うために,三次元的手法を用いたビデオ分析(model-based image-matching)を行い,傷害予防について新たな知見を提示していきたい.
|
Causes of Carryover |
研究成果のさらなる公表が可能であり,学術論文への掲載および国内外での学会発表を積極的に行いたいと考えているため.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会誌の掲載料,および学術集会に係る経費に助成金を充てる計画をしている.
|
Research Products
(5 results)