2014 Fiscal Year Annual Research Report
腹筋群の機能・解剖学的特性評価方法の開発-体幹部のスタビリティを考慮して-
Project/Area Number |
24700673
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
野口 雄慶 福井工業大学, 工学部, 准教授 (50610581)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超音波画像診断 / 腹筋群 / 筋力 / 測定評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、運動中の姿勢安定度および運動パフォーマンスと腹筋群の筋厚・筋力測定値との関係について検討した。成年男子14名を対象に、各種の運動パフォーマンスと筋厚の関係を検討したところ、50m走やハンドボール投げ、幅跳びと内腹斜筋厚には有意な相関が認められたものの、一方で、体幹の反動を制御しながら動く、つまり姿勢を制御しながら動く必要がある反復横跳びと腹部の筋厚には有意な関係は認められなかった。また、運動選手20名と非運動選手20名の腹部筋力と筋厚の関係を比較したところ、運動選手は筋力と筋厚の間に有意な相関が認められたのに対し、非運動選手では関係が認められず、両者では異なる傾向にあることが明らかになった。 本研究期間全体を通して明らかになったことは以下の3点である。 1.超音波画像診断法を用いた筋厚の測定は信頼性が高い。 2.日頃から運動をしている場合、腹部筋力と腹部の筋厚には関係があるが、非運動者の場合は関係が認められないため、評価の際には運動実施の有無を考慮する必要がある。 3.日頃より運動を実施している場合、腹部の筋厚(特に内腹斜筋)が厚い方が50m走やハンドボール投げ、幅跳びといった瞬発的な運動のパフォーマンスが高い。 以上より、腹部筋厚は活発的に運動を実施している成人の筋力や運動能力を反映する評価基準としての利用価値が高いと判断された。一方、今回の研究で十分に明らかにできなかった姿勢制御との関係については今後の検討課題として引き続き研究を進めていく。
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