2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチレベル分析による集合的効力感の概念的特性に関する検証
Project/Area Number |
24700677
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
内田 遼介 大阪体育大学, 体育学部, 研究員 (30589114)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 集合的効力感 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は集合的効力感と自己効力感の関連性がスポーツ集団間で変動するのかについてマルチレベル分析によって検討することである.平成24年度はその第1段階として,スポーツ集団の集合的効力感を測定できる"collective efficacy questionnaire for sports"(Short et al., 2005)の日本語版尺度を作成することを目的に研究を行った.質問紙は集合的効力感の日本語版尺度20項目のほか,フェイスシート(性別,年齢,所属年数,役割)と集団凝集性尺度18項目(Carron et al., 1985)によって構成した.なお,Short et al.(2005)の尺度を日本語に翻訳するにあたって,英語圏で博士号を取得したスポーツ心理学の研究者1名とスポーツチームの指導に携わる指導者1名に意見を求め,尺度項目の表現を適宜修正した.調査は郵送法によって行い,調査の時期については試合を行う1週間前以内に実施するようにチーム代表者に依頼した.その結果,48チームから1353名の回答が得られた(男子988名,女子365名).このうち欠損値を除いた1281名のデータを使用して検証的因子分析を行った.その結果,Short et al.(2005)の尺度と同様の5因子構造を確認した(GFI=.89, AGFI=.86, CFI=.93, RMSEA=.08).信頼性の検討についてはクロンバックのα係数を算出することによって検討した.その結果,いずれの下位尺度においても許容できる範囲の値(α=.84-.92)を示した.また,集合的効力感の下位尺度と集団凝集性の下位尺度間の相関行列について確認したところ,Short et al.(2005)の論文中において報告されている相関行列とほぼ一致するような値を示した.以上の結果から,"collective efficacy questionnaire for sports"の日本語版尺度は十分な信頼性と妥当性を有する尺度であると判断した.
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Research Products
(3 results)