2012 Fiscal Year Research-status Report
腓腹筋内側頭は遠位部をモジュレーターとして発揮パワーに応じた弾性特性変化をするか
Project/Area Number |
24700680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
枝松 千尋 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 准教授 (80351948)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腓複筋内側頭 / コンパートメント / 発揮パワー / 弾性特性 |
Research Abstract |
ヒトの爆発的なパワー発揮のメカニズムの解明は、スポーツ科学の分野において重要なテーマである。我々の先行研究から、要求されるパワー発揮の増大とともに、腓腹筋内側頭の遠位部は筋活動を低下させることで最適な弾性特性へと調整しているのではないかという着想に至った。しかし、同一筋内の特定の部位がその筋の弾性特性を調節しているという報告はない。そこで本研究では腓腹筋内側頭の遠位部が弾性特性のモジュレーターとしての機能を有しているかに焦点を絞って検討することを目的とする。24年度の研究では、ホッピングにおける発揮パワーの違いが遠位部の筋活動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 被験者は健康な男性10名(21.5±1.2歳,175.3±4.7㎝,66.7±4.7㎏)であった。腓複筋近位部と遠位部のEMGと床反力を計測した。筋活動量は全波整流した後にRMSで求め、%MVCであらわした。解析は安定した15周期分の平均値をデータとして用いた。実験条件として100bpmのカーフレイズ、220bpm・180bpm・140bpm・100bpmのホッピングを行わせた。 結果としては、ホッピング時の発揮パワーの増大とともに近位部の筋活動は増大した。それに対し、遠位部の筋活動は減少する被験者と増大する被験者が存在し、発揮パワーの違いによる変化は個人ごとでばらつきが大きかった。このことから遠位部の使用方法には個人差が大きいことが明らかとなった。 発揮パワーの違いによる遠位部筋活動に有意な変化はみられず、同一筋内の特定の部位がその筋の弾性特性を制御している可能性を示唆するには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置について、傾斜角度可変型のスレッジを作成し発揮パワーの規定を行う予定であったが、装置の構造を吊り下げ式にするかスレッジ型にするかで検討したため装置の製作が遅れた。検討の結果、25年度にスレッジ型で製作する。 実験結果について、24年度はホッピング周期で発揮パワーの規定を行ったため、腓複筋遠位部の筋活動に個人差が大きくあらわれた可能性がある。ホッピングの方法を規定するなど、安定したデータを取得する方法を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度はスレッジを用いたホッピングを行うことで、個人差の少ないホッピングを実現できると考えている。ホッピングの方法も含めて安定したデータを得る方法について検討を深めていく必要がある。筋電図によって安定したデータが取れるようになった後に超音波エコーによる実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
傾斜角度可変型スレッジの製作を行う。 学会発表を行うことで、国内外の研究者の意見を聞き、安定したデータ取得の方法や今後の研究の方向性を検討する。
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