2012 Fiscal Year Research-status Report
個人の体力・技術特性に着目した投擲競技のトレーニング方法に関する研究
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24700681
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
藤井 宏明 環太平洋大学, 体育学部, 講師 (20615843)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ハンマー投 / 重量変化 / 体重 |
Research Abstract |
本研究の目的は,日本人の投擲選手を対象にして,投擲物の重量を変化させた場合,投擲物に作用する力と投擲動作との関係性について調査すること,さらにパフォーマンスと大きく関与している個々の体重などの体力要素や技術要素との関係性について検討することで,投擲物の重量を変化させた練習において選手が意図するトレーニング効果を得るために,用いる最適な投擲物の重量の選択方法について明らかにし,パフォーマンス向上のための示唆を得ることを目的としている. 平成24年度から現在においては(1)ハンマー投ターン動作中におけるハンマーの重量変化によるハンマー張力変化と体重との関係性について検討を行なっている.その結果,(1)軽重量ハンマーにおいては,体重に関係なく6.5kg以下において,正規重量の3から5%のヘッドスピードの増加がみられた.なお,ハンマー張力に関しては6.5kg以下において,正規重量のハンマー張力の10%以上の減少がみられた.(2)ハンマーヘッドにかかる張力が最大となる重量は7.6kg,7.9kgであった.(3)体重が100kgを超える選手は,60kgの選手と比較して,高重量ハンマーにおけるハンマー張力の減少が少ないことが明らかになった.負荷軽減の度合いの適正な基準は,近い将来に通常の方法でその記録を出し得る程度の範囲に留める必要があるため,その範囲は抵抗負荷の10%以内とみられることから,現段階においてはスピードトレーニングとして,扱うべきハンマー重量の選択は,体重に関係なく6.5kgから7.26kg以下の範囲の重さのハンマーを使用すべきであること,また,レジステッドトレーニングとして,扱うべきハンマーの重量は,体重が軽い選手と体重が重い選手において,選択するハンマーの重量が異なる可能性があることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究においては,(1)ハンマー投ターン動作中におけるハンマーの重量変化によるハンマー張力変化と体重との関係性について,(2)ハンマー投ターン動作中におけるハンマーの重量変化によるハンマー張力変化と異なる体重の選手の投擲動作との関係性について,(3)上記(1)および(2)の結果からハンマー投におけるアシステッドおよびレジステッドトレーニングにおいて選手が用いる最適な投擲物の重量の選択方法について検討を行うこととなっている. 平成24年度は,(1)ハンマー投ターン動作中におけるハンマーの重量変化によるハンマー張力変化と体重との関係性について検討することとなっているが,被験者数について,選手が試合等の関係より都合のよい日程が折り合わず,現在予定人数より少なくなっていることが挙げられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度においては,平成24年度に完全に遂行できなかった(1)ハンマー投ターン動作中におけるハンマーの重量変化によるハンマー張力変化と体重との関係性について検討することと平行して,(2)ハンマー投ターン動作中におけるハンマーの重量変化によるハンマー張力変化と異なる体重の選手の投擲動作との関係性について,(3)上記(1)および(2)の結果からハンマー投におけるアシステッドおよびレジステッドトレーニングにおいて選手が用いる最適な投擲物の重量の選択方法について検討を行う.なお,被験者数の問題については,6〜8月にかけて4〜5回の実験を行うことが決定しており,問題は解決されると考えられる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は,学会参加費用,および謝金の使用がなかったため繰越金が発生した.したがって,本年度においてはその繰越金を学会参加費用や謝金への使用,残りの金額についてはデータ記録媒体等の消耗品費として使用する.
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