2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24700693
|
Research Institution | Seiwa University |
Principal Investigator |
東浦 拓郎 清和大学, 法学部, 講師 (50436268)
|
Keywords | 視空間認知 / オープンスキル / 事象関連電位 / Go P3 / NoGo P3 / 反応時間 |
Research Abstract |
スポーツ競技者,特に球技系に代表されるオープンスキル種目では目的とする運動の準備・遂行のみならず,刻々と変化する周囲の状況を知覚,認知し,最適な状況判断,意思決定を行うことが要求される.したがって,視覚情報の知覚-認知処理能力は,オープンスキル競技者の優れた競技パフォーマンスを支える要因の一つと考えられる.そこで,本研究は行動指標(反応時間,正反応率)と事象関連脳電位を用いて,スポーツ競技者の視空間知覚-認知処理機構について検討した. 平成24年度は,非競技者,バレーボール競技者,陸上跳躍競技者を対象に視空間認知課題を行い,課題遂行時の行動指標と事象関連電位のGo P3およびNoGo P3成分を比較した.その結果,①スポーツ競技者は非競技者に比べ,視空間認知課題のパフォーマンスに優れており,視空間認知処理に関わる神経活動も異なること,②高いオープンスキルが要求されるバレーボール競技者と,その要求度の低い陸上跳躍競技者では,反応抑制に関わる神経活動で差異が認められることが明らかとなった. 平成25年度は,非競技者,バレーボール競技者,陸上短距離競技者,陸上中長距離競技者,陸上跳躍競技者を対象に,陸上短距離走のスタート場面に模したGo/NoGo反応時間課題(陸上)を行った.その結果,①陸上短距離競技者は特に聴覚刺激に対する認知パフォーマンスに優れており,それに関わる神経活動においても差異が認められること,②バレーボール競技者は非競技者に比べ,刺激モダリティーに関わらず認知パフォーマンスが高く,その処理に関わる神経活動も異なることが明らかとなった. これらの研究成果は,長期間の身体運動がヒトの知覚-認知処理機構にポジティブな効果をもたらすことを裏付けるとともに,スポーツ競技者間においても,競技種目の特性によって視空間知覚-認知処理機構への影響が異なることを示唆するものである.
|
Research Products
(2 results)