2012 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時エネルギー代謝に影響を及ぼす生活習慣の時系列解析を用いた検討
Project/Area Number |
24700694
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
緒形 ひとみ 筑波大学, 体育系, 特任助教 (80455930)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 血糖変動 / NEAT / 加速度計 / 睡眠 |
Research Abstract |
以前から取り組んできた,時系列解析の一種であるdetrended fluctuation analysis法を用いて血糖変動を評価することにより,平均値や標準偏差といった基本的な統計量では分からなかった“血糖ゆらぎ”が,健常者でも日常生活の中で身体活動(non-exercise activity thermogenesis)を制限することにより,糖尿病患者に認められた現象と同様,負のフィードバック機構の減弱が認められるという結果が得られ,雑誌にアクセプトされたところである.また,加速度計を用いることで微細な身体活動を検出することが可能となり,間接熱量測定装置(ヒューマン・カロリメーター)と組み合わせることで食事誘発性熱産生(thermic effect of food)を推定できること,また一日の安静時代謝の変動も算出することが可能となったことから,それらのデータをまとめ投稿論文を作成中である. さらに睡眠時エネルギー代謝の詳細な解析を進めるにあたり,現在よりもさらに精度の高い分析器を用いることにより,睡眠測定に特化したヒューマン・カロリメーターが稼働し,脳波を測定するためのセットアップなどがようやく終わったところである.昨年度より行ってきた,メラトニン分泌に抑制効果のある短波長光(青色光)が睡眠に与える影響の実験結果は,現在投稿論文を作成中である.また,睡眠深度などを測定できる簡易型の脳波測定機器を用い,運動を実施するタイミングで睡眠や1日のエネルギー代謝,酸化基質に影響を与えるか否かを現在検討中である.さらに現在,睡眠に影響を与える運動について,フルマラソン前後での睡眠時間の変化を調べることを目的とし,フィールド調査を計画しているところである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題の内容に関するダイレクトな論文は投稿できてはいないが,以前から取り組んできた研究課題についてアクセプトされ,また運動と睡眠に関するフィールド測定を含めさまざまな実験を進めているため,少しずつではあるが順調に進展していると考えられる. また,研究課題に取り組む上で欠かすことのできない食事や運動実施のタイミング,さらに食組成の違いなど,現在条件設定の詳細な検討を行っているところであり,次年度はさらに研究を発展させることができると予想される.
|
Strategy for Future Research Activity |
日本国内の同じ間接熱量測定装置(ヒューマン・カロリメーター)および分析装置を用いている他施設の協力も得てデータ収集を行い,さらに海外の施設とも協力しながら,研究課題の内容について様々な角度から検討したいと考えている. また,研究課題の内容に関して,実験室レベルでの測定だけでなくフィールド測定を行うことで,幅広い視点でエネルギー代謝と運動・食事のタイミングについて検討していきたいと考えている.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
睡眠測定に特化したヒューマン・カロリメーターのセットアップに予想以上に時間がかかり,当初予定していた被験者数をこなすことができなかったため,平成25年度へ繰越が生じた. 次年度は,昨年度行う予定であった実験の被験者数を追加するとともに,睡眠およびエネルギー代謝,生体データ解析に関係する学会に参加し,情報収集や意見交換を行うとともに,現在行っている実験を滞りなく遂行できるよう,研究費を用いて実験を行っていきたいと考えている.
|
-
-
-
[Journal Article] The lack of long-range negative correlations in glucose dynamics is associated with worse glucose control in patient with diabetes mellitus2012
Author(s)
Hitomi Ogata, Kumpei Tokuyama, Shoichiro Nagasaka, Takeshi Tsuchita, Ikuyo Kusaka, Shun Ishibashi, Hiroaki Suzuki, Nobuhiro Yamada, Kumiko Hamano, Ken Kiyono, Zbigniew R. Stuzik, Yoshiharu Yamamoto
-
Journal Title
Metabolism
Volume: 61
Pages: 1041-1050
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-