2013 Fiscal Year Annual Research Report
チオレドキシンは筋収縮時に骨格筋から分泌される新規マイオカインである
Project/Area Number |
24700700
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
眞鍋 康子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60467412)
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Keywords | 骨格筋 / マイオカイン / 運動 |
Research Abstract |
近年、骨格筋からホルモン様の蛋白質が分泌されることが示唆されており、総称してマイオカインと呼ばれている。申請者は、これまでに培養骨格筋細胞を血清を使用せずに分化させる培養条件を発見し、これらに電気刺激装置を組み合わせることで、培養骨格筋細胞を収縮させる系を立ち上げた。新規のマイオカインを発見するために、上記の系を用いて収縮後に培養液を回収し、プロテオ-ム解析に供したところ、複数の分子がマイオカインの候補として挙げられた。 本研究では、発見されたマイオカイン候補分子の中からチオレドキシンに注目して、その分泌機序についての検証を行った。チオレドキシンの分泌が収縮依存的であるかについて、培養骨格筋細胞の収縮系で検証したところ、刺激を与えなくてもチオレドキシンが分泌されることが明らかとなった。細胞を低強度の電気刺激で収縮させてもチオレドキシンの分泌増加は観察されなかったが、高強度刺激時には有意な分泌の増加が観察された。一方、高強度刺激では細胞障害活性も増加しており、分泌増加は細胞の膜障害による漏出によると考えられた。 チオレドキシンには、一般的な分泌蛋白質が持つ分泌シグナル配列が無いため、これまで知られている分泌蛋白質とは異なる新規のメカニズムで分泌されると考えられる。チオレドキシンの分泌が新規分泌メカニズムの一つであるエクソソーム経路によるかについて検証したが、チオレドキシンはエクソソーム以外の上清画分で検出された。また先行研究ではメチルアミン処理がチオレドキシンの分泌を阻害するとの報告があることから、メチルアミン存在下で分泌の検証を行ったが、チオレドキシンの分泌の阻害は見られなかった。従って、チオレドキシンは、これまで知られている経路とは別の経路を通して分泌されていることが示唆された。 以上よりチオレドキシンは構成性に分泌されるマイオカインであることが明らかになった。
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[Journal Article] Efficient and reproducible myogenic differentiation from human iPS cells: prospects for modeling Miyoshi Myopathy in vitro2013
Author(s)
Tanaka A, Woltjen K, Miyake K, Hotta A, Ikeya M, Yamamoto T, Nishino T, Shoji E, Sehara-Fujisawa A, Manabe Y, Fujii N, Hanaoka K, Era T, Yamashita S, Isobe K, Kimura E, Sakurai H.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: e61540
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Macrophage migration inhibitory factor decreases glucose transport induced by insulin and AICAR in skeletal muscle2013
Author(s)
Shouta Miyatake, Yasuko Manabe, Akiko Inagaki, Yasuro Furuichi, Mayumi Takagi, Masato Taoka, Toshiaki Isobe, Kiichi Hirota, Kazunori Yasuda, Jun Nishihira, Nobuharu L. Fujii
Organizer
第36回日本分子生物学会
Place of Presentation
神戸
Year and Date
20131203-20131206
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