2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動の抗老化メカニズムをタンパク質のアセチル化から探る
Project/Area Number |
24700702
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
川上 恭司郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90589227)
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Keywords | 老化 / 運動 / アセチル化 / 翻訳後修飾 / 健康長寿 / アンチエイジング / 抗老化 |
Research Abstract |
本研究では運動の抗老化メカニズムを調べるため、ラットを用い、アセチル化タンパク質に焦点を絞った研究を行っている。①加齢に伴い肝臓、筋肉をはじめとした様々な組織中のアセチル化タンパク質の発現量が変化するか、②運動によりその変化が影響を受けるか、③液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS/MS)解析により変化が見られたタンパク質の同定、以上の3点を明らかにすることを目的としている。 本年度は2D-DIGE(蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動解析)を行い、運動による肝臓タンパク質発現の変化を検討した。運動実験群(25.5ヶ月齢の運動群を5匹、非運動群を6匹)のラット肝臓から細胞破砕液を作製し、蛍光標識試薬IC3-OSu, IC5-OSuを用いてタンパク質を蛍光標識した。蛍光標識は個々のサンプルをIC5、すべてのサンプルを等量で混ぜたサンプル(プールサンプル)をIC3で標識し、混合後に二次元電気泳動を行なった。二次元電気泳動後、蛍光スキャナTyphoon FLA 9500にてタンパク質の展開画像を取得し、画像解析ソフトProgenesis SameSpotsでプールサンプルの検出画像を基準としてゲル間でのマッチングを行い、個々のサンプルを比較解析した。 その結果、全スポット662個のうち運動で有意(p-value≦0.05)に変化が見られたタンパク質が13個解析された(運動による増加が10個、減少が3個)。しかし、それぞれのスポットの発現比が2倍以上のものはなく、個々のシグナル強度は弱いものであった。 以上のように肝臓タンパク質において、運動による明確な発現量の変化は見られなかった。今後は質的変化としてアセチル化修飾の解析を行う予定である。
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Research Products
(4 results)