2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24700716
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
小笠原 一生 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 講師 (70443249)
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Keywords | 前十字靱帯 / スポーツ外傷 / 運動学習 / 予防 / トレーニング / フィードバック / 意識 / 予測 |
Research Abstract |
本研究の目的は,膝前十字靱帯損傷などの極めて重篤なスポーツ外傷を予防する方略として,「予測的」かつ「意識下」な姿勢制御能の有効性を問うために,1)「予測的」かつ「意識下」な姿勢制御能を評価するための実験パラダイムの策定,2)評価システムの構築,3)スポーツ外傷予防の効果検証,を行うことであった.平成24年度までの進捗は順調であり,同姿勢制御能を評価する実験パラダイムとして,レーザーポインタによってランダムに示されたターゲットに片脚着地した際の姿勢動揺を定量化する手法を提案した. 平成25年度は,上記の実験パラダイムを行うための評価システムを構築した.本システムはモーションキャプチャシステム(OptiTrack, NaturalPoint社),床反力計(Type 9218B, Kistler社),フィードバック用モニタ(LC-40E9,SHARP社)から成り, LabVIEW(National Instruments社)によって制御される.同システムは武庫川女子大学健康・スポーツ科学部の高度運動計測実験室内に設置された.同システムの特徴は,被験者の動きに伴って自動的にターゲットが示され,被験者がターゲットに向けて片脚着地を行った後に,その時の姿勢動揺の成績をモニタでフィードバックするというものである.加えて,フィードバック画面には他の被験者の平均値が同時に示されることから,自身の姿勢動揺の成績が他者に照らし合わせてどれほどであるかを比較できるという特徴がある.また,タスク中のキネマティクスはモーションキャプチャシステムによって同期計測され,その被験者のプロファイルとして保存される.本年度は同システムの安全性を繰り返し検証した後,運動部員を中心に60名以上の被験者からデータ計測を実施し,平成26年度に予定されたスポーツ外傷の予防効果の検証に向けた基礎データを取得した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は購入を予定していたモーションキャプチャシステムの納品が大幅に遅れたことで,評価システムの構築に遅延が予想された.しかしながら,平成25年度に入り,システムの構築作業が予想以上に円滑に進み,8月の時点では,問題なく実験タスクを実施できるまでとなった.実験は60名以上の被験者からの協力が得られたことで十分な量のデータを確保できた.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成26年度は,平成24年度に策定した予測的かつ意識下な姿勢制御能を評価するためのタスクをトレーニングプログラムとして用い,本大学所属の運動部を対象として介入を行う.平成26年4月までに運動部(主にハンドボール部)部員から上記の片脚着地タスクを用いて姿勢制御スキルの評価を行い,基礎値を取得した.平成26年5月から11月にかけて,運動部に対してトレーニング介入を行い,この期間のスポーツ外傷発生率が介入をしていない過去2年間と比較して変化するかを検証する.
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Research Products
(6 results)