2015 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスに着目した膝前十字靱帯再建術後にみられる骨格筋萎縮の予防戦略の開発
Project/Area Number |
24700719
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
安藤 大輔 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (10447708)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 骨格筋萎縮 / 酸化ストレス / 抗酸化物質 / ACL / 前十字靭帯 / 炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,抗酸化物質であるα-リポ酸の経口摂取が膝前十字靭帯(ACL)再建術後に生じる骨格筋萎縮を抑制することができるか否かを検討することである. 対象者は,膝ACL再建術を受ける者で同意の得られた20名とした.対象者をブロックランダム割り付け法によりα-リポ酸摂取群とプラセボ摂取群の 2 群に分け,二重盲検ランダム化比較試験を実施した.本研究では市販のα-リポ酸の錠剤を用い,摂取期間は前十字靭帯再建術前夜から術後4週間とした.また対照群には,同期間プラセボを摂取させた.採血は手術前日,手術直前,手術直後,手術翌朝,手術3日後,手術7日後,手術4週間後に実施した.また,手術前日と手術4週間後に大腿部をMR撮像し,得られた画像から大腿四頭筋の筋体積を算出した.結果として,酸化ストレス指標である血清d-ROMs値は手術前日に比較し,手術3日後,7日後に有意に増加することが示されたが,群間での差は認められなかった.また,抗酸化指標である血清BAP値は手術前日に比較し,手術直後,手術翌朝に有意に低値を示したが,群間差は認められなかった.さらに,血清の高感度CRPやクレアチンキナーゼ活性も手術前日に比し手術翌日から有意に増加することが示されたが,群による違いは認められなかった.本研究のメインアウトカムである患側の大腿四頭筋の筋体積は,4週間で平均して約15%低下したが,群間での差は認められなかった.したがって,本研究で用いたα-リポ酸の摂取量では膝ACL再建術後の炎症反応や筋萎縮を軽減する効果は期待できないことが示された.
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Research Products
(1 results)