2012 Fiscal Year Research-status Report
禁止令を視点とした小・中学生の不適応行動への支援法の検討
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24700724
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
山田 浩平 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (60439304)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 禁止令 / 自我状態 / 不適応行動 / Health Risk行動 |
Research Abstract |
本研究は2年計画で実施し、平成24年度は予備調査を実施し、小学生用の禁止令の測定尺度、中学生用の禁止令の測定尺度を開発する。さらに、開発した尺度を使用して1都、1道、2県の小・中学校の児童生徒(約2,000人)を対象としたアンケート調査を行い、禁止令の実態を把握する。そして、これらの研究の成果は学会発表と当該学会の学会誌に投稿することにあった。 平成24年9月に、千葉県、愛知県、北海道内の小、中学生男子1072人、女子805人、計1877人を対象にアンケート調査を実施した。調査は授業時間を利用して無記名で行い、その場で回収した。分析対象は有効回答1856人(有効回答率97.6%)である。調査内容は、①基本的属性(性別、住居環境、兄弟・姉妹の有無等)、②グールディング夫妻による12項目の禁止令に基づいて、子どもの側の意識に着目して12項目を自作し、それぞれについて「いつも」「時々」「あまりない」「ない」の4段階で尋ねた。 その結果、男女別に見た禁止令の実態については、禁止令12項目について「いつも」「時々」と答えた者の割合のうち60%以上を占めた禁止令は、男女とも④「肝心なところで失敗するのではないかと思う」(成功してはいけない)の禁止令、⑪「腹が立っても、悲しくても顔に出してはいけないと思う」(自然に感じてはいけない)の禁止令であった。これらは、女子の方が有意に高かった。回答割合は少ないが、他に①「男(女)に生まれて損だと思う」(男もしくは女であってはいけない)の禁止令も女子の方が有意に高かった。 現在は、これらの結果を学会誌に投稿すべく、作業を進めるとともに、平成25年度のインタビュー調査と支援プログラムの開発作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は予備調査を実施し、小学生用の禁止令の測定尺度、中学生用の禁止令の測定尺度を開発するとともに、開発した尺度を使用して1都、1道、2県の小・中学校の児童生徒(約2,000人)を対象としたアンケート調査を行い、禁止令の実態を把握する。さらに、これらの研究の成果は学会発表と当該学会の学会誌に投稿することにあった。 これらの計画通り、平成24年7月に小学生用、中学生用の禁止令の測定尺度を開発するとともに、本調査として平成24年9月に千葉県、愛知県、北海道内の小、中学生男子1072人、女子805人、計1877人を対象にアンケート調査を実施した。当初の予定だと、東京都の小、中学生も対象とする予定であったが、学校の行事等と重なり実施が不可能となった。しかし、他県の対象者を増やすことで、対象人数は大幅に減少することはなく研究を進行できている。 なお、現在は調査結果を学会誌に投稿すべく作業を進めるとともに、平成25年度のインタビュー調査と支援プログラムの開発作業を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年には平成24年度の調査結果や海外での研究の文献考証の結果を踏まえ、コンサルテーションとインタビュー調査を実施して支援プログラムを開発し、開発したプログラムを研究協力者の学級担任と養護教諭によって児童及びその保護者に実施する。さらに、実施したプログラムは直後評価、フォローアップ調査を行い、その成果は学会発表をして内容を検討するとともに、発表を踏まえて当該学会の学会誌に投稿することにある。 これらの目的を遂行するために、千葉県の小、中学生を対象に、平成24年度の研究成果と海外における研究報告を踏まえ、研究協力者と小学校・中学校別の支援プログラム案を検討し、研究代表者及び養護教諭に対する支援プログラム実施(プログラムの実施にあたっては、対象者に本調査の趣旨を説明した上でプログラム参加の協力に同意するか否か文章にてより提示する。なお、プログラムへの参加の同意が得られなかった場合は、実施を打ち切るように配慮する。)を行う。具体的な内容としては、支援プログラム対象者の選定、筆者と学級担任及び養護教諭による保護者へのインタビュー調査、支援プログラムの実施、支援プログラム実施後の直後評価・フォローアップ調査(直後、1週間後、1ヶ月、3ヵ月後)である。 なお、平成25年度の調査調査結果についても、その成果を学会発表と学会誌への投稿をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
繰越金〔次年度使用額(B-A)〕が生じた理由としては、当初予定していた東京都でのアンケート調査ができなくなったためである。 平成25年は平成24年度の調査結果や海外での研究の文献考証の結果を踏まえて、①インタビュー調査、②支援プログラムを開発し、③開発したプログラムを研究協力者の学級担任と養護教諭によって児童に実施し、④その成果は学会発表をして内容を検討するとともに、発表を踏まえて当該学会の学会誌に投稿することにある。 これら①~④の研究内容を進めるために、当初の計画通り、設備設備費、消耗品、旅費、人件費・謝金、その他に振り分けて使用する。なお、設備備品費については、平成24年度に購入した備品を有効活用して研究を進める。さらに、平成25年度末は研究成果を学会誌等にまとめる作業をするため、論文投稿費にも研究費を充てることとする。
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